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2020 年度 実施状況報告書

発展途上国におけるネットワーク構造がただ乗り行動に与える影響に関する計量経済分析

研究課題

研究課題/領域番号 17K13738
研究機関近畿大学

研究代表者

嶋本 大地  近畿大学, 経済学部, 講師 (30748405)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードただ乗り / ネットワーク / 輸出行動
研究実績の概要

本研究は、ベトナムのアパレルテキスタイル産業クラスターの中小企業の企業に注目し、企業活動におけるただ乗りを定量的に検証するものであり、2つの研究から構成される。
1つ目の研究では、中小企業を対象に実施した輸出促進プログラムへ招待された企業の参加の意思決定が、同プログラムに招待された仲間企業の参加の意思決定に影響を受けるのか、を定量的に検証した。もし仲間企業がプログラムに参加すれば、自社は参加しなくともプログラムで提供される情報を獲得できるため、ただ乗りは起こりうる。分析の結果、ただ乗りが輸出促進プログラムの参加の妨げになっている結果は得られなかった。申請者は、本年度この論文を国際学術雑誌へ投稿し、論文改定の要求を受けた。そして、論文を改定した後に論文の再投稿を終えた。
2つ目の研究では、仲間企業の輸出活動が企業の輸出にどの程度影響を与えているのかを定量的に検証した。輸出を開始する企業は輸出に関連する情報(輸出の手続き、輸出先の消費者の好み、など)が十分に得られていない。企業は実際に輸出を行うことで、それらの情報を獲得することができるが、それらの費用を負担する必要がある。その場合、企業は自社では輸出せずに、他の輸出企業から輸出に関連する情報を獲得するインセンティブが働くため、ただ乗りが起こる可能性がある。分析の結果、情報交換をしている企業が輸出すると企業が輸出をしなくなる傾向が明らかになっていた。ただし、ただ乗り以外のメカニズムが働いても、仲間企業の輸出が自社の輸出を下げる可能性があるため、さらなるメカニズムの検証が必要である。また、申請者は本研究を関西労働研究会(オンライン開催)で報告し、参加者から頂いたコメントも踏まえて論文の改定を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ただ乗りに関連する研究を国際学術雑誌へ投稿し、改定要求を得られたためである。
ただし、コロナの影響で、予定していた海外での企業訪問調査ができなかったため、補助事業期間延長を行った。

今後の研究の推進方策

2021年度は、輸出促進プログラムの参加において、情報交換している仲間企業が企業の参加の意思決定に与える影響を定量的に検証した研究の国際学術雑誌の掲載を目指す。さらに、企業の輸出行動が情報交換をしている仲間企業の輸出活動から影響を受けているかを検証した研究を、国際雑誌へ投稿し、改定の要求を得られるように努める。

次年度使用額が生じた理由

予定していたベトナム出張がコロナのため中止となったため、旅費や調査費に変更が生じた。
翌年度の使用計画としては、コロナで次年度も海外出張が困難であることが予想されるため、英文校閲費や論文の投稿費用、研究に関連する書籍代に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The Effect of Social Interactions on Exporting Activities: Evidence from Micro, Small, and Medium-Sized Enterprises in rural Vietnam2020

    • 著者名/発表者名
      嶋本 大地
    • 学会等名
      関西労働研究会

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公開日: 2021-12-27  

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