経済発展における制度的要因の重要性は広く知られている。本研究課題では、政治体制と多国間協力の枠組みの役割に着目し、主に次の3つの研究テーマに取り組んだ。(1)政治体制が健康水準(乳幼児死亡率、幼児死亡率、平均寿命)にどのような影響を及ぼすのかについて実証的に検証した。(2)天然資源を豊富に有する国は、その資源を利用して経済発展に成功するように一見思われるが、現実には経済が停滞することがしばしば観察される。この現象は「資源の呪い」として知られている。資源の呪いを軽減する国際的な取り組みの役割を理論的・実証的に検証した。(3)貿易自由化が生産性にどのような効果を及ぼすのかについて検証した。
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