| 研究課題/領域番号 |
17K13743
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| 研究機関 | 独立行政法人経済産業研究所 |
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研究代表者 |
近藤 恵介 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 研究員 (70734010)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 通勤 / 都市 / 家計内交渉 / 出生行動 / 就業選択 / 集積 |
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| 研究実績の概要 |
日本では少子高齢化が進み，さらに人口減少という新たな局面を迎えている．そこで，都市圏の持続可能性を高める手段として，コンパクトシティ政策が考えられている．都市集積の利点を生かしながら効率的な行政運営を行っていくことが主な目的である．ただし，注意しなければならないことは，都市集積から得られるのは便益だけでなく，意図しない副作用として外部不経済という費用も存在する点である．本研究では，都市集積から生じる混雑費用として通勤に焦点を当て，夫婦間の就業選択や出生行動への影響をデータ分析から解明することを目的としている．
初年度の主要な研究成果は以下の2点である．
（１）これまで分析してきた集積と出生率に関する研究をさらに理論的・実証的に発展させた論文が査読付き学術雑誌に採択された．大都市ほど夫婦における子供の数は低くなっているが，その要因を包括的に調べ，集積がどの程度の影響力を持っているのか定量化している．なお，本論文はオープンアクセス化しており，世界中の誰もが研究成果を閲覧することが可能になっている．
（２）データ分析で用いる政府統計の2次利用申請を済ませ，現在は個票データより分析データセットの作成を行っている．執筆予定の1本目の論文で用いるデータに関しては，既にプログラムコードを作成し，基本的な分析結果は得ている．現在は，分析結果の信頼性を高められるように，いくつかの方法論も採用して頑健性を確認している．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の初年度は，データ申請手続き，文献調査，分析データセットの作成，データ分析，論文1本の草稿執筆の開始までを計画していた．データ申請手続きからデータ受領までは順調に進んでいたが，データセット作成の段階でやや進捗状況が遅れている．当初想定していた以上に個票データサイズが膨大であったため，現在利用中の一般向けコンピュータで処理できない作業が一部あったのが要因である．現在の環境でも対処できる範囲で作業を進めており，論文構成は十分練ることができている．また今後の解決策に向けて手続きを進めているので，次年度以降に現在の遅れを取り戻せるよう尽力する．
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| 今後の研究の推進方策 |
現在の研究環境でも分析可能な範囲でデータ分析を進めていく．今後は3本の論文執筆を予定しており，1本目の論文に関してはデータ分析用のプログラムコードを作成し終わっている．基本的なデータ分析結果を得ており，論文の構成もできているので，データ分析の結果の信頼性を高めながら論文の草稿を仕上げる予定である．残りの2本の論文に関しては，データセットの作成作業において一部中断している箇所があり，今後購入予定のワークステーションで対処していく予定である．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
（理由）データ分析を進める中でコンピュータスペック上の限界に直面し，それを解決することが研究遂行上において必須であったため，当初計画していた海外出張を取りやめ，次年度のワークステーション購入のために繰り越すことを決めた．
（使用計画）現在使用している一般向けコンピュータでは数十GB以上の個票データ処理に限界があり，ワークステーションの購入費用として使用する予定である．
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