本研究では第一に、大学院教育において、どの観察可能な教員属性が、研究指導の付加価値に影響を与えるかを分析した。推定の結果、大学院生の研究業績を成果とした時の教員付加価値は、教員の職位、研究業績と相関を持つこと、また、学科内での職位の変動が起こるような雇用と引退や、平均的な研究業績の向上に結びつくような雇用が生じると、平均的な付加価値の向上に結びつく可能性が示唆された。 第二に、部分識別法により大学との産学連携の内生性に対処した結果、大学が特許の生産性にもたらす付加価値の因果的効果については明確な結果が得られなかった。
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