研究課題/領域番号 |
17K13747
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
森 啓明 専修大学, 経済学部, 准教授 (40778247)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 人的資本 / 幼児教育 / パネルデータ |
研究実績の概要 |
本研究は、若年期における健康問題が、労働市場における賃金に対して長期的な影響を及ぼす理由を実証し、その長期的な影響を抑制するために効果的な政策を探ることを主な目的としている。その目的を達成するために、英国のNational Child Development Studyデータを用いて、若年期における健康問題が技能形成と健康資本の双方に影響することを許容するモデルを推定し、推定したモデルを用いたシミュレーションによって、その問いに答えることを試みた。シミュレーションの結果から、若年期における健康問題が賃金に与える影響の大半は技能形成が阻害されることによって説明されることが示唆された。これらの結果を、"Childhood Health and Lifecycle Human Capital Formation"と題したワーキングペーパーにまとめ、自身のウェブサイト上に公開すると共に、国際的な査読付き研究雑誌へ投稿した。
並行して、幼児教育が若年期における犯罪行動や妊娠行動に与える影響を長期的に評価する共同研究プロジェクトを進めた。共同研究者とデータ分析結果について議論する中で、昨年度までに得られたデータ分析結果の一部について、その信頼性に疑問が残ることが明らかとなった。この疑問を払拭するために、追加的なデータ分析を行った結果として、より信頼できる分析結果が得られた。その成果を、ワーキングペーパーとしてまとめる作業を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度に引き続いて2020年度における主な目標は、若年労働者の健康問題に関するワーキングペーパーを査読付き研究雑誌に投稿すること、また幼児教育の犯罪抑制効果に関する論文をワーキングペーパーにまとめることである。新型コロナウイルス感染拡大に伴って、研究補助員の雇用が難しくなり、また予定されていた学会報告が中止される等の当初予期していなかった事態が起こったことにより、研究の進捗状況にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、引き続き若年者の健康問題に関するワーキングペーパーの投稿・出版にかかる作業に取り組む。また本研究課題に関連する研究として、幼児教育に関する共同研究プロジェクトを進め、ワーキンペーパーの公表と国際的な査読付き研究雑誌への投稿を目指す。具体的には、研究成果をワーキングペーパーとしてまとめた後、国際的な査読付き研究雑誌への投稿とホームページ上での研究成果の公開を行う。この目標を達成するため、ビジネスチャットアプリ(slack)等を用いて、共同研究者間で綿密な連絡をとりあい、効率的なテレワークを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍に伴い、研究補助員の雇用や学会出張が難しくなったことによって、旅費・人件費にかかる支出が減少したことによって次年度使用額が生じた。追加的なデータ分析を行うためのコンピュータの購入にかかる物品費として使用し、研究の進捗につとめる。
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