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2020 年度 実施状況報告書

日本の外国人雇用と海外の日本人就業に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13750
研究機関独立行政法人経済産業研究所

研究代表者

橋本 由紀 (長澤由紀)  独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 研究員 (30707675)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード外国人労働者 / グローバル化 / セレクション
研究実績の概要

2020年度は,グローバル化と企業の外国人雇用の関係をみる研究,およびリーマン・ショック時のブラジル人の残留・帰国行動を明らかにする研究を2019年度から引き続き行った。
海外との厳しい競争を実感している企業ほど,生産工程に外国人の雇用を検討する確率が高まることを明らかにした前者の研究は,外国人労働者を需要する企業サイドからの分析であり,2020年8月に,経済産業研究所のディスカッションペーパーとして公表した。この研究は,政策や国際情勢の変化によって移民労働者の供給が変化すると,企業は利用可能な労働者の質や量に応じて生産技術を変化させるが,非高技能移民の雇用と資本集約的な生産への切り替えは両立せず,非高技能移民の雇用はイノベーションや生産性の高まりに結び付かない可能性を示唆する。
また,金融危機後に日本に残留したブラジル人と,母国に戻ったブラジル人の特徴を分析し,不況期に生じた移住労働者の質の変化(セレクション)を捉えようとした研究は,2020年4月に,経済産業研究所のポリシーディスカッションペーパーとして公表した。この研究は,企業の労働者需要の落ち込みに対する,労働者の対応の一端を明らかにした研究として位置づけられる。さらにこの分析は,政府が実施した日系人帰国支援事業に対して,定量的なエビデンスを提供する初めての研究である。
これらの研究成果は,2019年度までに公表し,学会での報告や査読雑誌への投稿を行う予定であったが,当初の予定通りには進まなかったため,期間を延長して研究を継続している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究期間を延長したものの,国勢調査の政府統計の利用申請手続きに時間を要し,予定通りに研究を進められなかった。さらに,あわせて利用を予定していたIPUMSデータが,2020年度も公表されなかったこともあり,海外に居住する日本人の就業に関する研究は,助成期間内での分析を断念せざるを得なかった。

今後の研究の推進方策

グローバル化と企業の外国人雇用の関係をみる研究,およびリーマン・ショック時のブラジル人の残留・帰国行動を明らかにする研究について,学会での報告や査読雑誌への投稿を行う。海外に居住する日本人の就業に関する研究は,代替データを用いて進めることも難しいため実施を断念し,前二者の成果の公表に集中する。

次年度使用額が生じた理由

学会に参加するための旅費を使用しなかったため,翌年度に使用することとしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Global Competition, Worker Retention, and Immigrant Employment in Manufacturing SMEs2020

    • 著者名/発表者名
      Yuki Hashimoto
    • 雑誌名

      RIETI Discussion Paper

      巻: 20-E-071 ページ: 1-27

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 誰が去り、誰が残ったのか: 金融危機後に日本から帰国したブラジル人のセレクション2020

    • 著者名/発表者名
      橋本由紀
    • 雑誌名

      RIETI Policy Discussion Paper

      巻: 20-P-013 ページ: 1-28

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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