本研究では、ある日本企業の従業員を対象として、個人のワークライフバランス満足度の決定要因を分析した。上司のマネジメント、仕事の裁量、残業時間など、従来から指摘されてきた要因の重要性を、人事マイクロデータを用いた統計分析でも確認することができた。同一企業内であっても、職場特性を反映させた人的資源管理が必要であることや、ワークライフバランス満足においては基本的な仕事配分こそが重要であるという点が明らかとなった。さらに、従業員のワークライフバランスの充実には、上司の配置や育成についても考慮することが人的資源管理上、重要な施策であることも示唆された。
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