本研究の目的は,フォワード・ガイダンスとマクロ・プルーデンス政策がトレードオフの関係にある可能性があることを明らかにすることであった。整合的な研究成果として,ゼロ金利政策を長期間続けるような政策は,信用拡大を大きくする可能性があるという結果を得た。これはHasui (2020)として,松山大学論集として公刊した。一方で,同論文においては通常時には信用拡大を抑える金融安定化政策は,ゼロ金利下では,むしろ信用拡大を悪化させてしまう可能性があることが判明した。これは,信用拡大を規制する政策がゼロ金利政策を長期化させる恐れがあり,そのことが信用拡大をむしろ増大させてしまう可能性があるためと考えられる。
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