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2019 年度 実施状況報告書

日本企業の取締役選任における株主の役割:議決権行使結果を用いたマルチレベル分析

研究課題

研究課題/領域番号 17K13782
研究機関九州大学

研究代表者

内田 大輔  九州大学, 経済学研究院, 准教授 (10754806)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードコーポレート・ガバナンス / 取締役選任
研究実績の概要

令和元年度には,初年度である平成29年度に構築した大規模データセットを用いた統計分析から得られた知見を確定したうえで,論文の発表および公刊を中心とした研究成果の社会的発信に注力した.具体的には,2010年から2017年における日本の主要企業570社に関する取締役選任議案の議決権行使結果のデータを使い,株主がどのように取締役選任議案に対して議決権を行使しているかを検証した.実証分析において,平成29年度および平成30年度に行った文献サーベイを通じて導出した,株主の異質性に関する一連の研究およびエージェンシー理論を援用して構築した仮説群は概ね支持された.

得られた知見の一部は,2019年8月にボストンで開催された米国経営学会の年次大会(Annual Meeting of the Academy of Management)(「Exposed: When and How Do Relational Institutional Investors Become Vigilant Monitors?」)および武蔵経済セミナー(「制度環境の変容と機関投資家の議決権行使:資源依存の影響」)にて報告した.そこでは,必ずしも既存研究とは一致しない本研究の分析結果に対して追加的な説明が必要であること,既存の理論枠組みに加えて新たな理論枠組みを用いる必要があることなどが指摘された.

これら研究報告で得たフィードバックを反映させるための修正を行ったうえで,海外専門学術雑誌への投稿も行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定通り,本年度までに最終的な研究成果を海外学会(Annual Meeting of the Academy of Management)で報告し,専門学術雑誌への投稿を完了させることができた.しかしながら,論文の査読プロセスにおけるフィードバックを受け,論文の構成を大きく変更する必要性が生じた.そのため,これまでの研究では対象としていなかった既存研究のレビューを行い,それに応じて,新たに関連するデータを収集していく必要がある.以上の理由より,本研究課題はやや遅れているといえる.

今後の研究の推進方策

今後の研究では,研究成果の専門学術雑誌への投稿作業の完了に注力する.そのために,(1)論文の構成を変更するために,これまでの既存研究レビューの対象とはしていなかった制度的埋め込み(institutional embeddedness)などに関する研究のレビューを実施し,新たな理論枠組みの構築を行うこと,(2)新たな理論枠組みに応じて,必要となる関連データを収集し,既存のデータと接合したうえで,分析を実施すること,に注力する.

次年度使用額が生じた理由

令和元年度内に英文校正のための謝金として使用する計画がずれこみ,令和2年度に論文投稿を行うため,次年度使用額が発生している.当該助成金は,令和2年度に謝金として使用する計画である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Exposed: When and How Do Relational Institutional Investors Become Vigilant Monitors?2019

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Uchida
    • 学会等名
      Academy of Management
    • 国際学会
  • [学会発表] 制度環境の変容と機関投資家の議決権行使:資源依存の影響2019

    • 著者名/発表者名
      内田 大輔
    • 学会等名
      武蔵経済セミナー

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公開日: 2021-01-27  

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