研究課題/領域番号 |
17K13783
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
閔 廷媛 上智大学, 経済学部, 准教授 (30632872)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 組織危機 / 組織学習 / 世界原子力発電所 |
研究実績の概要 |
"若手研究B基金(平成29年~平成32年):なぜ組織事故は繰り返されるか:失敗からの学習の動学的分析"の研究プロジェクトを行うことで、以下の2件の実証論文のジャーナル・図書掲載と、海外学会参加及び発表を行うことができた。 第1に、実証論文の「No Pain, Yet Gain?: Learning from Vicarious Crises in an International Context」は、2018年、Journal of Business Researchという国際ジャーナル(IF:2.509)から無事に採択され、2019年の4月に出版された。また、本助成を受けて作成した実証論文の「Open versus Closed Alliance Networks as a Precaution for Organizational Disruptions」も、Managing Trust in Strategic Alliancesという海外専門図書のChapterとして出版された。 第2に、世界原子力発電所に関するデータベースを構築することができた。このデータベースは、1976年から2017年までの世界原子力発電所の電力生産実績と停電や事故・事件データ、取引先データなどを含めている。さらに、定性的なケース調査のため、日本と韓国の原発運営者及び専門家を訪問し、インタビュー調査を行った。現在は、これらのデータを基に、どういう状況でエラーがより発生するかに関する実証分析を行っている。 第3に、本基金からの支援を受けることにより、アメリカ経営学会(Academy of Management Conference)で研究報告を行い、参加者の方から今後の研究に必要と なる貴重なアドバイスを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に構築した仮説を実際にデータを使ってテストすることができた。昨年までは、予備分析段階ではあったが、一定の分析結果を得ることができ、現在その結果を基に追加的な分析を行っている。
また、分析結果を、国内研究会などで紹介し、今後の方向性について有益なアドバイスを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年の主要な推進計画として、まず、仮説検証を終わらせて、まとめた内容を国内外の研究会や学会を通じて発表する予定である。そのプロセスから得られた成果を基に、実際に実証論文のドラフトを作成することが目的である。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費(アルバイト・英語の校閲)を他の資金(学内など)からの補助を受けたり、自ら直接データを収集することにより、セーブすることができた。また、本プロジェクトの質を高めるために、関連データベースを追加で購入する必要性が生じているが、そのデータベースが大きな金額を要するため、意図的に昨年の研究費をできるだけ節約した。今年度又は来年度にデータベースを購入しようと考えている。
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