研究課題/領域番号 |
17K13790
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
森永 雄太 武蔵大学, 経済学部, 教授 (70585439)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ウェルビーイング / ジョブ・クラフティング / プレゼンティーイズム / 健康経営 |
研究実績の概要 |
研究計画の作成段階においては、2019年度の実施計画は、本調査の実施、学会報告、論文投稿であった。しかしながら、研究が進捗するプロセスで新たに検討すべき理論的イシューが明確になったことことから、いくつかの点で研究計画を変更した上で実施した。 本年度の進捗は大きく分けて4点に分けられる。 第1に、文献レビューの実施である。昨年度から継続してプレゼンティーイズムに関する文献レビューを実施した。また従業員のウェルビーイング向上に関係するジョブ・クラフティングについても最新研究のレビューを追加した。 第2に、学会報告である。パイロット調査の結果と、パイロット調査で見出された新たな理論的イシューに関する文献レビューの結果をもとに経営行動科学学会および日本労務学会の部会において学会報告を行った。また学会報告の成果の一部は論文にまとめられており、2020年度内に公刊される予定となっている。 第3に、追加調査の実施である。昨年度に引き続き、健康増進活動を効果的に遂行するための組織体制とその形成プロセスを明らかにするため、複数企業に対してヒアリング調査を行った。特に今年度は、健康経営に複数回選定されている先進的企業に加えて、特徴的な組織風土形成の観点から従業員の健康やウェルビーイング増進に取り組む企業の事例研究も行った。ここでの発見事実は質問票調査にも活かされる予定となっている。 第4に、質問票調査の実施準備である。後述する事情により調査の実施には至らなかったが、パイロット調査及び追加調査の結果を踏まえて、質問票調査の設計を行った。実施準備は整っているため、今後状況が整い次第速やかに調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
追加的な文献レビューの結果、研究課題に若干変更が加わっため、特定の企業調査内で実験を用いた調査を実施するのは適切でないと判断するに至った。そのため、年度末にWebを介した質問票調査を実施する準備を行っていた。しかしながらコロナウイルス感染症の大流行のため企業で働く従業員の働き方とその結果としての健康状態、職務態度が通常とは大きく異なることが予想される状況に陥り、調査実施を見合わせることとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
パイロット調査と追加的な文献調査の結果、当初の研究計画とは異なる課題を加えたうえで、調査方法と調査時期を変更しながら調査を実施する予定である。具体的には2020年にweb調査を実施し、速やかに集計および国際学会、への応募、論文の投稿を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度残額が生じた原因は大きく分けて2つである。1つは、コロナウイルス感染症の影響で質問票調査の実施を取りやめたこと。もう1つは、同じ理由で海外学会への参加を取りやめたことである。今後は状況を見ながら速やかに調査を実施するとともに海外学会での報告、論文投稿を行っていく。そのため、使途の変更は予定していない。
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