研究課題/領域番号 |
17K13795
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
金 倫廷 北海学園大学, 経営学部, 講師 (20611255)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 組織コントロール / アイデンティティ志向 / 自己概念志向 / アイデンティティ / アイデンティフィケーション |
研究実績の概要 |
これまで本研究では、アイデンティティの視点から組織コントロールの影響過程を明らかにするために、構成概念の操作化、測定尺度の開発と修正、理論モデルの精緻化、質問表調査による理論モデルの検証などを試みてきた。その結果、組織コントロールの影響過程における①アイデンティティ志向の媒介効果、②自己概念志向の調整効果、③自己概念志向とアイデンティティ志向の関係が部分的に確認された。 しかし、上述の研究成果は、Ouchiが提案した3つのコントロール・システム(市場型、官僚型、クラン型)と、Bricksonの3つのアイデンティティ志向(個人志向、関係志向、集団志向)を包含する統合的な理論モデルであったため、各コントロール・システムが組織メンバーそれぞれのアイデンティティ志向に与える影響を十分に捉えきれないという課題が残された。そこで今年度は、組織コントロールとアイデンティティ志向の関係についてより詳細な分析を行うため、昨年度から継続して各要因を細分化した考察を行った。 また、当初の課題であった海外での質問表調査については、コロナ禍の影響によって断念せざるをえない状況が続いている。そのため、研究対象の日本国内に限定し、従業員が組織コントロールの変化を認知したことが彼・彼女らのアイデンティティ志向にどのような影響を及ぼすかを時系列かつ動態的に分析することを今年度の第一の課題とした。だが、日本国内もインタビューや質問表調査などの追跡調査を実施する状況ではなかったため、次年度の優先課題としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナの影響により、インタビューと質問表調査が実施できなかったため、当初の計画より進捗は遅れている。だが、理論モデルの構築と精緻化の面では着実な進展があるものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
国際比較研究という当初の研究計画について大幅な変更を余儀なくされる状況ではあるが、研究対象を日本国内に限定したインタビュー調査と質問表調査を実施し、より動態的な理論モデルの構築とその検証を試みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により、インタビューと質問表調査が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度には、研究対象を日本国内に限定した質問表調査(追跡調査)行う予定である。
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