研究課題/領域番号 |
17K13799
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
中園 宏幸 広島修道大学, 商学部, 助教 (40755386)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | オープン・イノベーション / 経営戦略 / 経営学 / 組織内連携プロセス |
研究実績の概要 |
研究2年目である本年度は、各企業が推進しているオープン・イノベーションの体制について調査を行い情報の整理を進めたこと、および分析枠組みの構築に向けて先行諸研究のレビューを進めた。オープン・イノベーションの実施に向けて本年度多く確認されたのは、事業会社とベンチャーキャピタルの協働である。事業会社単独のコーポレート・ベンチャー・キャピタル投資ではなく、ベンチャーキャピタルを仲介することによって、事業会社側の窓口・担当組織に違いが見られる。ただし、この違いが成果に対してどのような影響を及ぼすかについては現時点では明らかにできていない。この点について、事業会社がベンチャー企業と協働することによって特許を得るであったり、サービスをローンチするであったりと成果をどのように測定するべきか検討中である。本研究課題で特に重要な組織内連携プロセス、事業開発部と研究開発部などの連携については聞き取り調査によって事例の蓄積が進んでいる。 次に、分析枠組みの構築に向けては、外部技術の吸収能力に着目した研究、オープン・イノベーションにおける組織的要件に着目した研究、ダイナミック・ケイパビリティの研究について重点的にサーベイを行なった。併せて、経営学の古典的な研究を参考にして組織内連携の枠組みを構築した。特にコンティンジェンシー理論の研究群を参考に戦略と組織内連携、そして外部環境と組織内連携に着目をした。これらの成果を基に論文化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は進捗に遅れがあったものの、今年度はデータ及び事例の収集からデータベースの構築ができたこと、分析枠組みの構築が完了したことからおおむね順調に進展しているといえる。ただし、最新の事例を扱っていることからデータベースへの事例の追加は随時行っていく必要がある。分析枠組みについても学会報告等を経た上で修正の必要が生じる可能性もある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、データベースを基に分析を進めていくことが最優先である。加えて、ここまでの研究成果を学会にて報告してフィードバックを得ることを目指す。その上で、適宜論文化を進め研究成果の公表に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった書籍の欠品があり、次年度使用額が生じた。次年度改めて当該書籍を購入する。
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