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2018 年度 実施状況報告書

半導体産業の垂直的分業関係における製品設計過程の効率性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13800
研究機関立命館大学

研究代表者

佐野 宏樹  立命館大学, 経営学部, 准教授 (70779628)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード新製品開発 / 共同開発 / 半導体産業 / 垂直的分業 / 在庫回転率 / 売上サプライズ / 製品設計 / 受託製造
研究実績の概要

平成30年度は、2つの小課題にそれぞれ取り組んだ。第一の小課題としては、半導体製品の製品設計企業と受託製造企業による共同的な新製品開発における、両者の意思決定過程を数理的なモデルで表し、分業により生ずる非効率性の分析を行った。モデルにおいては、製品設計企業と受託製造企業がそれぞれに課されたタスクを遂行するために努力を費やし、両者のタスクが完了した時点で新製品開発のプロジェクトが完了すると想定している。両者はそれぞれ独立にタスクに努力を費やすが、ある時点でそれぞれが費やす努力の度合いは、他者からの知識スピルオーバー効果(正の効果)と、自らと他者の努力の度合いの差から感じられる不公平感(負の効果)に影響を受ける。不公平感については、両者の努力の度合いが比較される時点から所与の時間だけ遅れて、努力の度合いへの影響が現れると仮定している。これらの設定のもとで数値的なモデル分析を行ったところ、他者と比較して得られる不公平感が、両者が費やす努力の度合いを下げ、全体として新製品開発プロジェクトの完了を遅らせてしまうことが示された。また、不公平感の影響が現れるまでの時間遅れについて、時間遅れが長いほど新製品開発プロジェクトの完了が遅れることが示された。第二の小課題としては、小売・製造企業の在庫管理の効率性を説明する回帰モデルの分析研究を、論文として完成させるためにさらに進めた。特に、引用する参考文献を増やし、在庫管理に関わる近年の実証研究の動向と、それらを踏まえた本研究の位置づけをさらに明確にした。また、経済成長率と回帰モデルの説明変数との相関を見るなど、データ分析とそれらの結果の考察の部分もさらに深めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究成果を目標として定めている査読付学術雑誌に投稿可能なレベルの論文として仕上げることに、申請時の想定よりも時間を要している。次年度はこれまでに口頭発表してきた研究成果を論文としてまとめ、査読付学術雑誌に投稿することを主な目標として考え、遅れを取り戻したいと考えている。

今後の研究の推進方策

最終年度は、研究成果を論文としてまとめて査読付学術雑誌に投稿することに特に積極的に取り組む予定である。その一方で、さらなる研究の進展については口頭発表やポスター発表によって発信を行っていくつもりである。今後の研究の方向としては、半導体産業に関する二次データや半導体関連企業が取得した特許のデータなどをもとに、半導体産業における各企業の技術的な位置関係の変化について考察を行いたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

平成31年3月末に行った国外出張にかかった費用が平成31年度における使用と見なされたため、次年度使用額が発生することとなった。今回発生した次年度使用額は、この国外出張のための旅費として使用される予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Plant locations, strategic alliances, and knowledge spillover patterns2019

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Sano
    • 学会等名
      POMS 30th Annual Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Sales surprise and inventory turnover performance2018

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Sano, Kazuo Yamada
    • 学会等名
      The 8th International Symposium on Operations Management and Strategy 2018
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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