研究課題
当該年度においては,これまでに収集した資料やデータを用いて,研究報告を行いつつ,理論的な精緻化および,中小企業によるオープン化の取り組みへの大規模な調査を行った。特に,国際学会において,オープン化にともなう,直接的なアウトプットに限らず,間接的な効果としての組織間学習に注目した研究を報告している。また,その組織間学習にともなった知識移転については,当該企業の吸収能力もポイントとなるため,無条件で発生するわけではなく,また時間もかかる作業である等,いくつかの問題提起も行っている。このような点を国際学会で報告し,その後,国際ジャーナルに掲載されている。また,中小企業の大規模調査については,中小企業庁の新連携事業に認定されている中小企業を対象に,コア企業とパートナー企業を識別し,その後それぞれが担った機能はどんな機能であったのか,探索行動はどのような特徴があったのか,といった点を中心に分析を行った。結果的には,地域ごとに,コア企業の果たす機能の違いや探索行動の違いなど,いくつかの発見事実があった。また,自社ブランドや自社製品の開発をターゲットに置いたオープン化と,販路開拓という比較的敷居の低いオープン化において,探索範囲に一定の共通性があることが分かった。この原因については,まだ十分には咀嚼しきれていないが,中小企業にとって,オープン化の目的を問わず,パートナー探索に課題を抱えている可能性が考えられる。販路開拓のパターンと製品の開発のパターンともに,最適なパートナーの探索が効果的にはなされておらず,結果的に近距離のパートナーに頼っている可能性が考えられる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
久留米大学商学研究
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Proceedings of 16th International Conference on Intellectual Capital, Knowledge Management & Organizational Learning
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Proceedings of International Conference on Business and Finance 2019