発見事実の中でも,最も社会的意義が分かりやすいものとして,次のようなケースがある。一見するとオープン化に消極的に見える企業であっても,水面下ではオープン化にうまく対応できている企業もある一方で,逆に,オープン化に積極的だが成果が上がっていない企業もある。パートナーを探索するために時間や経営資源を投入しても,その目的と自社の戦略・組織との間にズレがあるために機能していないこともあれば,積極的には探索行動は行っていないが,設計~加工にたるまで総合力があり,自然とパートナーが集まる企業もある。つまり,オープン化に際して,その目的とともに,戦略・組織,技術環境・競争環境などが成果に影響を及ぼしている。
|