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2020 年度 実施状況報告書

同族企業の維持・終焉と信頼の関係:医薬品の取引システムとその変容を通じた考察

研究課題

研究課題/領域番号 17K13804
研究機関信州大学

研究代表者

藤野 義和  信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (10781403)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード医薬品業 / 医薬品卸業 / 同族企業 / 取引システム / 信頼
研究実績の概要

計画していた医薬品卸に対するインタビュー調査がコロナウイルス感染症の影響により難しいと判断し次の調査に代替した。
これまで卸と医薬品業の関係性の構造的問題を過去に遡り明らかにしたが、その流れの中で大きく影響を受けたグループとそうでないグループが存在すると考え、戦略グループの知見を活用し、卸の戦略グループ化とその変化の調査を行った。まず公刊資料を参照し、大株主の状況、役員の状況、仕入先、取引の範囲を意味する「地域別取引の状況」を中心として1973年から2018年までのデータセットを構築した。次にそれを利用し、分析対象とした企業のデータが揃う1990年から2010年までを分析期間とし、その期間における戦略グループとその変化を表出させる作業を行った。結果については考察中である。
医薬品業からの仕入状況や大株主の状況、地域別取引の状況は医薬品業と卸業の関係性を紐解くデータとなる。医薬品業が卸の大株主であれば関係性が強いと判断できるし、さらにはそのような卸が地域を超えて販売していないことになればテリトリー制の根拠にもなる。これまでの研究では医薬品を主とした主従関係や医薬品業が主導するテリトリー制や系列化といった関係性を示す概念が提示されている。しかしながら、関係性の根拠が乏しいものや特定時期のデータに依拠したものであった。今回の長期分析に基づけば、既存研究より関係性が鮮明になり概念の強化もしくは修正につながると考える。現在、特徴のある分析結果が浮かび上がっており、まとめる作業を行なっている。加えて本課題の鍵概念である信頼と結びつけ論じようと考察している。
次に企業統治に関する新たな理論の検討を進めた。これについては文献の整理は進めたが成果に結びつけることができていない。上のデータ分析の研究及びそれを用いた信頼概念に関する研究、それらを統合した企業統治に関する研究は課題となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまで未達であった課題として①卸業のインタビュー調査、②企業統治に関する理論の検討、③研究成果の学会報告と雑誌投稿があげられる。
①についてはコロナ禍の状況が続くため満足のいく調査の履行が難しいと判断し卸業と医薬品業の関係性を明らかにすることが可能と考えるデータベースを構築し、それを分析する研究に代替することにした。この研究については順調に進んでいる。
②については考察は進んでいるが成果をあげることができていない。次年度(令和3年度)中に成果をあげる。
③についは上記状況であるため未達である。しかしながら準備は進んでいる。

今後の研究の推進方策

所属の異動やコロナウイルス感染症の影響で予定していた調査に遅れが生じた。そのため研究計画を修正し、期間を延長した。異動による想定外の業務が本年度末に落ち着いたので次年度(令和3年度)はこれまで未達成の調査・分析を実施し成果を上げる。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、予定していた調査が実行できなかったことや年度途中で所属を変更があった。その結果、研究のために研究費を使用する場面が少なかった。それが次年度使用額が生じた理由である。なお次年度使用額は図書等の消耗品や論文投稿費用として使用する計画である。

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公開日: 2021-12-27  

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