本研究の学術的・社会的意義は,財務会計を基礎として次の三点について検討したことである。第一は,概念フレームワークにおける財務会計の目的について分析することである。概念フレームワークは,財務会計・財務報告についての基礎的な前提や諸概念が体系的に要約・整理されているため学術的意義がある。第二は,公正価値,あるいは公正価値に代わる理論的に整合性のある測定属性について検討した点に学術的意義がある。技術的な問題はないにもかかわらず,公正価値による測定を適用せずに,取得原価で測定を行う企業がほとんどであるからである。第三の研究課題は,財務情報と非財務情報について論じた点に学術的意義がある。
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