研究課題/領域番号 |
17K13835
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
伊藤 健顕 甲南大学, マネジメント創造学部, 講師 (00709496)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ディスクロージャー / テキストマイニング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,様々に企業が開示する情報の中でも特に定性情報に注目し,その定性情報をテキストマイニングの手法を用いて実証的に分析を行い,その経済効果を明らかにすることである。財務諸表情報に代表される定量情報については,データベースも存在し,多くの実証研究が蓄積されてきているが,定性データの実証分析についてはまだその分析手法が確立されていない。その一方で,企業の公表する情報に占める定性情報の割合は多く,それらを整理し分析することでディスクロージャー研究は新たな段階へと進める可能性が存在する。そこで,本研究ではデータベースの構築および当該データベースを用いた実証分析を行う。初年度は分析のための新たなデータベース(ワードリスト)作成を目的とした,定性データの収集およびワードリストの作成を行う予定であったが,その設計を行いつつ,まず手元にあるデータの分析を進めた。現在,手元にある有価証券報告書のMD&Aセクションのデータ(2006年から2014年,東証一部上場企業)について,既存のワードリストを利用してトーンを測定し,企業特性との関連について分析を行った。分析の結果,MD&Aのトーンがネガティブな企業は企業規模やEPSといったファンダメンタルズとの関連がみられ,トーンがポジティブな企業は株式リターンとの関連が明らかになった。これらの分析結果について執筆した論文"Disclosure Tone and Firm Characteristics"は2018年5月にイタリアで開催される41st Annual Congress of the European Accounting Associationおよび2018年8月にアメリカで開催される2018 American Accounting Association Annual Meetingにて口頭発表をする予定である(採択済み)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ワードリスト作成が初年度における本研究課題のポイントではあったが,その作成にあたっての作業そのものに非常に時間が要することが判明し,効率よくデータ収集を行う方法を検討している段階である。そして,まずは手元にあるデータセット及び既存のワードリストである程度の方向性を検討した上で新しいワードリスト構築へと進むことを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は学会等で研究報告を行うと同時にワードリスト作成にも着手する予定である。ワードリスト作成には時間を要することが想定されるが,可能な限り早い段階で作成し,本研究課題の年度内においてそれらを用いた論文執筆まで到達することを目標としている。今年度は既に報告が決定しているEuropean Accounting AssociationおよびAmerican Accounting Associationの年次大会だけではなく,11月に米サンフランシスコで開催されるAsian-Pacific Conference on International Accounting Issuesおよび2019年1月に米サンアントニオで開催されるAmerican Accounting Associationのセクションミーティングへも論文投稿をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での学会参加を2回予定していたが,1回のみであったためその分の旅費が残っている。これについては次年度以降に積極的に学会発表することにより使用する予定である。
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