研究課題/領域番号 |
17K13836
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研究機関 | 高崎商科大学短期大学部 |
研究代表者 |
廣瀬 喜貴 高崎商科大学短期大学部, その他部局等, 講師(移行) (90760265)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ゲーム理論 / テキストマイニング / 経済実験 / 公共財 / 社会的ジレンマ / 計算社会科学 / 公会計 / 監査 |
研究実績の概要 |
2017年度は、会計における社会的ジレンマについての先行研究を、テキストマイニングというテクノロジーをもちいて分析した。また、その結果を踏まえて公共財ゲームのオンライン実験を行なった。 テキストマイニングによる先行研究の分析については、まずは計算言語学や自然言語処理のテクノロジーを会計分野へ応用した研究についてレビューを行なった。そのうえで、 学術論文のテキスト・データの収集を行ない、基礎的な分析を行なった。学術論文のテキスト・データを分析した結果、ゲーム理論や経済実験に関連する単語が重要であることがわかった。 公共財ゲームのオンライン実験については、すでに1つめの実験が完了し、現在もう1つの実験のデータを収集している最中である。今後のベンチマークとなる実験では、実験参加者の属性によって意思決定に差が無いこと、制度が無い場合はフリーライダーが存在することなどが確認された。これらの結果は先行研究と首尾一貫しており、何らかの制度を導入することの必要性を示唆している。なお、制度を導入した実験は現在実施している最中であり、データが集まり次第、国内外の学会およびジャーナルへの投稿を行なう。 また、本研究の基礎となるテキストマイニングの手法を会計分野へ応用した研究の成果は、AAAという分野を代表する国際学会にアクセプトされ、学会発表を行なった。また、国内では日本会計研究学会などでも学会発表を行なった。さらに、社会情報学会でのSSI Workshopの登壇者として、会計を専門とする研究者のみならず、社会情報学や行動経済学を専門にする研究者たちとも、本研究テーマに関連する論点について議論を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は、本研究におけるテキストマイニングの基礎となるテクノロジーに関連する学会発表を国内外で行なった。そして、論文を執筆・公表することができた。また、本研究の基礎となるテキストマイニングのテクノロジーについては、前年度末に出版した論文が2017年12月に日本経営分析学会学会賞(論文の部)を受賞した。本研究は、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
実施中の実験を早期に完了させることを目指す。申請者が移籍により所属が変更になったため、実験環境の構築が課題となる可能性があるが、概要で述べたとおり、オンライン実験を実施する環境をすでに整えているため、影響は最小限に抑えられる見込みである。また、2018年度も引き続き、国内外の学会およびジャーナルへの投稿を行なう。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請者が移籍することとなり、謝金ありの実験を実施した回数が当初の計画よりも少なかったことから次年度使用額が生じた。次年度は、謝金ありの実験の回数を増やす計画である。
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