研究課題/領域番号 |
17K13838
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研究機関 | 岩手保健医療大学 |
研究代表者 |
大井 慈郎 岩手保健医療大学, 看護学部, 講師 (10757959)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 東南アジア都市化 / 都市社会学 / 人口移動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、インドネシアの首都圏における非正規労働者の地域と階層移動パターンの分析から、東南アジア首都の人口移動メカニズムを解明することにある。本研究では、インドネシア首都ジャカルタを事例に、2010年代よりインドネシアの労働問題の中心となっている非正規労働者に着目する。 本年度は、これまで収集したデータをもとに、本研究の特徴である、「非正規雇用」に着目し、東南アジア都市化を検討する必要性をまとめ、論文を執筆した。従来の途上国研究では「インフォーマルセクター」に焦点が当てられていた。だが、東南アジア首都圏を分析するにあたり「フォーマルセクター」ではあるが、多くの労働問題を抱える「非正規雇用」を対象とする必然性と必要性を、新国際分業と首都圏拡大の観点、人口移動の観点から明らかにした。現地のヒューマンリソース会社に対してインタビューを実施できていたことも、議論を裏付ける重要な知見となった。 昨年度インドネシアの県および村行政から得た住民基礎データを、統計処理ができるデータセットへと変換する作業を実施した。このデータを現地で実施した独自の住民調査と組み合わせることで、首都郊外地域の具体的な分析が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大の状況が想定よりも悪かった。当初は、インドネシア渡航が難しいと考え、追加データは検討しない予定であった。だが、現地とのうちあわせのなかで、調査協力者に追加データの収集を依頼する方向を模索することになった。 しかしながら、現地の混乱は想定より大きかったため、結果として追加データは2020年度中に入手できなかった。 加えて国内移動の制限と相次ぐ学会・研究会の中止もあり、研究成果を推敲する機会が十分にとれなかった。 その結果、予定のアウトプットに届かなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在までのデータの分析を進め、順次成果報告を実施する。 行政から得た基礎データと、土地利用データを重ね合わせることで、便宜上の「集落地区」「住宅地区」それぞれの住民の特性を分析することが可能となった。これらを住民調査データと組み合わせ、地域・階層移動のメカニズムを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、予定していた成果発表や研究成果の推敲の機会を得ることができず、アウトプットを予定通り実施することができなかった。 次年度使用額は、研究成果報告や論文執筆にかかる費用へと使用する予定である。
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