本研究では、主として第二次世界大戦期の東京と第二次世界大戦期および冷戦期のニューヨークにおける未来の戦争災害イメージについて歴史社会学の観点から検討した。それによって本研究では、第二次世界大戦期における東京の民間防衛が共同性に重きを置いてつくられていたのに対して、第二次世界大戦期および冷戦期におけるニューヨークの民間防衛は公共性に重きを置いてつくられており、両都市においてそうした民間防衛と未来の戦争災害イメージが相互に影響を及ぼしていたことが明らかとなった。またそれを通して本研究では、社会学において未来について記述・分析することの可能性に関する示唆を得ることができた。
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