研究実績の概要 |
本研究の目的は経済社会学と社会階層論の立場から、日本の外部労働市場における入職経路の機能を多角的・多層的に明らかにし、再チャレンジが容易な外部労働市場の設計に対して有用な知見を提供することである。人口減少を背景として、年齢や性別に関わらず就業を継続できる生涯現役社会の構築が進められているところであるが、日本の雇用システムでは定年を契機として退職し、引退や転職に至るキャリアパターンが形成されている。令和2年度の研究実績の1点目として、こうした高齢期の職業キャリアに着目して、企業内における高齢者への仕事の配分や雇用形態の変化と高齢者の賃金との関連に関する研究を行い、報告書論文および著書(共著)を刊行した。2点目に、社会的課題をビジネスの手法で解決することを志向する社会的企業を対象としたアンケート調査・ヒアリング調査を実施した上で、従業員の入職過程や起業家の社会関係資本を分析し、学会報告を行った。また、Social Policy for Informal Economy: Challenges and Innovations(coordinator: Sony Pellissery (Institute of Public Policy, NLSIU) & Yasuhiro Kamimura (Nagoya University))セッションにて、"An Outline of Employment Relations with special reference to Non-standard Work"という題で日本の非典型雇用に関する研究報告を行った。
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