研究課題/領域番号 |
17K13855
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
齋藤 圭介 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (60761559)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 男性性 / 生殖 / 生殖補助医療 / 出生前診断 / NIPT / 妊娠 / ジェンダー規範 / 出生前診断 |
研究実績の概要 |
本研究は、文化的要因である〈男らしさ規範〉に着目し、日本の男性が抱える〈男性であること〉の規範的意識とその実態を、日米豪の比較研究から明らかにするものである。 3年目にあたる今年度は、これまでの2年間につづき課題に関連する現地で実施したインタビューデータや、入手することができた史料の整理を行いながら、研究計画に基づき、さらに現地調査を遂行した。現地調査は、2年目に引き続きオーストラリア(アデレード)で実施した。調査で滞在期間中、University of South Australia大学で開催された学会(AI and Digital Skills、Adelaide Conference)に参加もし、現地の研究者と男性研究について意見交換を行うことができた。 また今年度は3年目になるため、学会報告および学会誌への投稿を積極的に行い、研究成果の発信を行った。これまでの2年間の調査結果について、IGSセミナー(お茶の水女子大学)から招待を受け、「出生前診断に男性はいかに向き合ってきたのか」(生殖医療技術と男性性研究)という題目で報告・講演を行った。日本社会学会大会では、1年目と2年目の調査結果を「出生前診断における夫の選択――育児に積極的にかかわっている男性へのインタビュー調査から」の題目にて報告をした。関連論文を学会査読誌に2本、学会への寄稿文を8本、掲載することができた。 さらに、University of South Australiaの研究者を夏と秋にそれぞれ1名ずつ岡山大学に招聘し、客員研究者として受け入れた。その間に国際ワークショップを企画・実施し、海外の研究者とのネットーワークの強化もすることもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年目に予定していたUniversity of South Australiaを拠点とした現地調査と国際学会への参加は概ね計画通りに進めることができた。また、University of South Australiaから研究者を2名、岡山大学に招聘し、国際ワークショップを開催するとともに、研究者の国際ネットワークの強化にも取り組むことができた。調査結果をもとにした論文を学会査読誌へ掲載することもできており、おおむね順調に進展している。
なお、本課題は「若手研究における独立基盤形成支援」を受けることができたため、当初予定していた執行計画を見直す必要が生じ、結果として、調査計画をさらに展開することができた。予算額が総じて増えたことにより、当初より予定していた海外での調査計画を拡充し、実施している。本研究課題の現地調査を2020年度も実施することが決まっている。そのため、最終年度である4年目で国際比較分析への移行をスムーズに行うことができると期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究については、本年度の研究結果をさらに充実させ進展を図る方針である。 研究期間の延長申請が承認されたため、海外への現地調査を追加で行うことを予定していたが、社会状況の変化に応じて対応していくことになる。とくに、3カ国の現地調査で得たデータの整理を進めながら、学会発表や論文投稿等を積極的に行い、その成果の公表に努めていくことを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
「若手研究における独立基盤形成支援」を受けることができたため、当初予定していた執行計画を見直す必要が生じ、 結果として、調査計画をさらに展開することができた。 予算額が総じて増えたことにより、当初より予定していた海外での調査計画を拡充し、本研究課題の現地調査を2020年度も実施することが決まっている。独立基盤形成支援経費についても研究室の整備がまだ十分に完了していないため、 延長を希望した。
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