研究課題/領域番号 |
17K13864
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
岩間 優希 中部大学, 国際関係学部, 准教授 (00584096)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アジア / ジャーナリズム / メディア / 通信社 / 報道 / 戦後史 |
研究実績の概要 |
本研究における2019年度の研究計画は、PANA通信社のネットワーク11カ国のうち、インドネシア、シンガポール、フィリピンを中心に調査することであった。これに基づき、下記の通り調査を行った。 (1)所属研究機関図書館のレファレンスサービスや「World Cat」、各国のインターネット・サーチエンジン、データベース等を利用し、該当国で刊行されたPANA通信社関連の書籍、記事、論文の所在について調査した。その上で、現時点で入手可能なものについては入手し、未入手のものについても各機関を通じて入手方法を探っている。その他、日本国内で刊行された当該時期のアジア史に関する先行研究を引き続き収集し、読み込みを行った。 (2)当時の関係者やPANA通信社のOBとのコンタクトを継続的に行い、公開情報からは得られなかった同社の業務実態や報道内容、人間関係などについても情報収集を行っている。上記の(1)で得られた情報と総合し、インドネシア、シンガポール、フィリピンのPANA通信社の位置づけを、同時代の国際政治やメディアの状況に照らして考察したところである。 (3)文献収集自体は上記の3カ国を主軸としたものの、現地調査として昨年訪れることの出来なかったタイとラオスに赴き、国立図書館、国立大学図書館、マスコミ、政府機関で資料収集及び聞き取り調査を行った。
冷戦期アジアに広範なネットワークを築いたPANA通信社の実態を明らかにすべく、残された文献、写真等の資料と証言の双方を発掘し考察できたことが本年度の研究成果の意義である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献の所在調査と収集、翻訳等は可能な限りで進めているものの、やはり現地調査が予定通りできていない国があるという点で、やや遅れていることは否めない。現地調査が予定通り進んでいない理由は、関係者へのインタヴューのセッティングができなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策の大まかな流れについては、当初の計画に変更はない。ただし、関係者へのインタヴューがセッティングできずに現地調査が滞っている国については、図書館、資料館、博物館、マスメディア、政府機関での資料収集や、関係者でなくても当時をよく知る人物や専門家へのインタヴューで補うことにして、現地調査を遂行することとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度までに現地調査に行けず繰り越した分が影響している。次年度に計画通りの現地調査を実施することで使用していきたい。
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