研究課題/領域番号 |
17K13877
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
日野原 由未 岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (90783556)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療福祉政策 / 移民政策 / 労働組合 / 職能団体 / 外国人労働者 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、①英連邦における医療・福祉人材の国際移動枠組みの整理、②英連邦における人の移動レジームとアジアにおける人の移動レジームの整理、という二点の研究課題に取り組むことを目的としていた。 これについて、現状までの研究実績としては①について作業を進めている段階にある。①について研究を進めるなかで、労働組合や医療福祉分野の職能団体による外国人労働者の受け入れや受け入れた後の彼らへの対応についても同時に検討を行うこととした。したがって、平成30年度の研究のなかで進める予定であった、医療・福祉人材の国際移動を支える組織としての労働組合の役割に関する研究についても、一部並行して行うこととなった。この研究に用いる資料収集についても、平成29年度にある程度進めている。 労働組合と職能団体については、現状ではイギリスのみに限定し、ナショナル・センターのTUC、BMA(英国医師会)、BASW(英国ソーシャルワーカー協会)について研究を進めている。外国人労働者を対象に各産業で創設された職能団体として、医師については外国人医師会であるBAPIOやBIDAに関する研究を進めているが、福祉分野の外国人労働者を対象とした職能団体の働きについては現在研究を進めている状況にある。必要に応じて、ヒアリング等を踏まえたデータ収集が求められる。 他方で、②で取り組む予定としていたシンガポールに関する分析については十分な研究作業を行うことができていない。これについては、平成30年度に取り組むこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は、英連邦を対象に医療・福祉分野における外国人労働者の受け入れについて検討するものであるが、この研究課題に取り組むなかで、日本における当該分野の外国人材の受け入れについても研究を始めた。これは、日本の現状について知ることが、英連邦地域の当該領域における外国人労働者受け入れの特殊性あるいは一般性についてより理解を深めることにつながると判断したためである。 上記のように、本研究課題の周辺課題についても並行して研究を進めているため、進捗状況としてはやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、①医療・福祉人材の国際移動を支える組織としての労働組合の役割に関する考察、ならびに②国民国家を越えた福祉制度形成の可能性の二点に取り組むことを研究目的とした。 研究実績の概要にも記したように、①については平成29年度の研究で一部取り組むことができたが、労働組合だけでなく対象となる医療・福祉分野の職能団体の役割についてもさらなる検討を加えることとする。とくに、福祉分野については現状では十分な検討ができていないことから、今後の課題として取り組む。 最終的には、本研究課題の最終的な目的となる②についてその可能性を検討する作業を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査や学会等発表に伴う出張を予定しているため、差額はその費用として使用する。
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