研究課題/領域番号 |
17K13879
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研究機関 | 新見公立大学 |
研究代表者 |
松田 実樹 新見公立大学, 健康科学部, 講師(移行) (60635548)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 地域 / 障害者 / グループホーム / 医療的ケア |
研究実績の概要 |
本研究は、特に医療的ニーズを有した重度障害者の地域移行を成立させる要件を検討することを目指し、グループホームにおける医療的ケア実施上の問題点と課題を明らかにすることを目的とする。 研究3年目となる2020年度では、2019年度に実施したプレ調査の結果等を踏まえ、質問紙の修正を行い、層化抽出法によって各都道府県20事業所のグループホームを選んで合計940事業所に送付し(ただし、プレ調査の対象事業所以外とする)、本調査を実施した。 結果、221事業所から回答(23.5%)があった。大規模な調査を一度に行うことに対し社会情勢的に実施困難な状況が続いたため、発送時期をずらす等対応を行ったため、最終の回収期日が年度末となり、2020年度は発送作業及び入力作業と単純集計を行ったのみである。 単純集計結果より、社会福祉法人が回答の61%を占め、次いでNPO法人(15%)、医療法人(8.1%)であった。グループホームの種別としては、介護サービス包括型が最も多く(69.7%)、外部サービス利用型は16.3%であった。回答事業所には、新しくサービス形態に加わった日中サービス支援型も13事業所(5.9%)あり、今後ケア実施との関連を見ていく予定である。 提供可能な医療的ケアの内容は、服薬管理が最も多く8割以上で可能と回答した一方、提供可能な医療的ケアは無いと答えた事業所は10%であった。現状で、医療的ケアの必要な障害者を継続して支援し続けられるかについては約45%が可能、約46%が不可能と回答しており、医療的ケアの必要な障害者をグループホームで支え続けるには、何らかの対応、整備が必要である状況にあることが明らかとなった。今後、分析をさらに進め、グループホームでの生活継続の可否についてどのような要因が関連しているのかを明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、本調査の実施と、面接可能な事業所へのインタビューを予定していたが、感染症による面接調査実施が困難となった。そのため、予定を変更せざるを得なくなり、質問紙調査による調査に重きを置きかえて調査研究をすすめている。既に、質問紙の回収、データ入力は終えており、単純集計による分析も終了していることから、やや遅れていると判断、評価した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、入力が終わっているデータについて精査を行い、分析を進める。 グループホーム種別やホーム内の支援実施に影響を及ぼしている要因などから、医療的ケアが必要な重度障害者の生活の場としてグループホームの支援環境の改善点はどこか、求められているサポートを探る。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症による影響で計画変更することとなり、2021年度に学会発表や論文投稿、英文校正などの経費が生じる可能性がある。
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