2019年度は、地域自治組織への実態調査、ポートランドの地域づくりに関連するワークショップへの参加、2本の研究雑誌への査読論文投稿を行うとともに、社会的起業に関連する理論研究についての論文執筆も実施した。 地域自治組織への実態調査に関しては、学内の倫理審査を経て、島根県益田市における地域自治組織調査(合計3ヶ所)、地域自治組織を支援する市役所人口拡大課へのヒアリングを実施した。特に継続して関わっている益田市真砂地区の取り組みについては、現時点での状況の変化も踏まえて聞き取りを行っている。なお、地域自治組織の比較対象として、島根県雲南市における地域自治組織のヒアリング調査も実施した。また、当初はポートランドへの訪問を予定していたが、学内業務の都合で実施できなかったため、今年度開催された岡山大学でのワークショップへに合わせる形で参加した。地域づくりのアプローチの実際について理解するとともに、ポートランド内にある有名企業とのコラボレーションによる展開、国内外の大学での事例についても知ることとなり、社会的起業における「きょうどう」の展開を考える上でも重要な示唆を得た。 研究雑誌の投稿については、まず1点目として、この2年間調査を行ってきた沖縄共同売店の事例を踏まえた査読雑誌に論文投稿を行ったが、結果として不採択となってしまった。科研年度内での研究成果として上げることができなかったが、査読結果を受け止めたうえで、新たに精査した内容を査読雑誌に投稿する予定である。2点目としては、上述した地域自治組織の取り組みについて連帯経済の観点から整理した内容を査読雑誌に論文投稿を行っている。この件については現時点で審査中である。そして、これまでの社会的起業の理論研究の成果について、特にソーシャルイノベーションに焦点を当てたものを論文として執筆した内容が「金城学院大学社会科学編」に掲載された。
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