研究課題/領域番号 |
17K13897
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研究機関 | 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 |
研究代表者 |
安 順姫 (アンジュンキ) 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, 研究部, 研究員 (60626191)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | うつ予防 / 自主グループ / 自主活動 / 継続 / 支援 |
研究実績の概要 |
当研究機関では、高齢者のうつ予防のためのプログラム(ハッピープログラムと呼称)を開発し、複数の自治体と共同でうつ予防教室の有効性を検証してきた。本研究の目的は、うつ予防教室終了後に発足して活動を行っている自主グループの活動実態、及び活動継続のための要因を把握し、自主グループ活動が長く継続するための効果的な支援のあり方を明らかにすることである。 平成29年度は、うつ予防教室終了後の自主グループ活動の実態、および活動継続への関連要因を明らかにすることを目的とした。地域特性が異なる3つの自治体において、2009~2016年度に実施したハッピープログラムの修了者542名(死亡、転出、住所不明者を除外)を対象とし、自記式調査票を用いた郵送調査を実施した。結果、394名から回答が得られた(回収率72.7%)。内訳は、 ①府中市においては、ポピュレーション版ハッピープログラムの修了者205名のうち、149名から回答が得られた(回収率72.7%)。また、ハイリスク版ハッピープログラムの修了者274名のうち、202名から回答が得られた(回収率73.7%)。②横須賀市においては、ポピュレーション版ハッピープログラムの修了者48名のうち、33名から回答が得られた(回収率68.8%)。③北区においては、ハイリスク版ハッピープログラムの修了者15名のうち、10名から回答が得られた(回収率66.7%)。 調査項目は、①自主グループ活動の実態:活動への参加状況、活動期間、活動頻度、②身体的側面:IADL、老研式活動能力指標、③心理的側面:抑うつ状態(Geriatric Depression Scale簡易版)、睡眠状態(アテネ不眠尺度)、不安状態(STAI状態-特性不安検査)、④社会・環境的側面:親しい友人や仲間の数、外出頻度である。 現在、得られたデータの分析を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査への協力が得られなかった自治体があるものの、当初の計画どおり協力が得られた自治体のみを対象とした郵送調査を予定どおり実施した。ただし、一部の自治体において実施時期の遅延があり、回収時期が平成30年2月までとなった。その影響で、現在はデータの分析を行っている段階である。 今後は分析した結果を学会誌に投稿するとともに、自主グループを対象としたフォーカスグループインタビュー調査に向けての準備を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成29年度に実施した量的研究で得られた知見をもとに質的研究を行い、自主グループ活動を継続するための効果的な支援のあり方について検討する。 具体的には、行動変容ステージ理論に基づき、自主グループ活動の発展段階が異なる自主グループに対し、フォーカスグループインタビューを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度を含めた計画全体がスムーズに実施できるよう、初年度には人件費・謝金の支出を見合わせたため、余剰費が生じている。 平成30年度に実施予定のフォーカスグループインタビュー調査において、当初の計画より対象グループ数を増やす予定であり、調査に伴う人件費・謝金、旅費に充当する。
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