平成30年度は、うつ予防教室終了後における自主グループ活動の継続要因を明らかにし、活動を継続するための効果的な支援のあり方について検討することを目的とした。東京都A市、神奈川県B市において2009~2016年度に実施したうつ予防教室終了後に、自主グループを立ち上げ活動を継続しているグループのうち4グループ(21人)を対象に、グループごとにフォーカス・グループ・インタビューを実施した。自主グループの発達段階は様々であり、段階に応じた支援のあり方を検討するため、本研究では調査対象のグループを「開始期」「発展期」「成熟期」「波及期」または「衰退期」の4段階に分けた。 参加者の自主グループ活動の平均期間は2.2±1.3年であった。うつ予防教室終了後における自主グループ活動の継続要因として【無理なく通える場所】【リーダーシップ】【関係機関のサポート】【民主的なグループの運営】【ハッピー教室からの学び】【地域へのひろがり】の6カテゴリーが抽出された。 発展期と成熟期に共通する活動の継続要因は【リーダーシップ】【民主的なグループ運営】【ハッピー教室からの学び】で、教室期間中から自主グループ活動を視野に置いて推進することが重要であると考える。また、サブカテゴリーの<関係機関の後方支援>が関連しており、グループの活動が発展し成熟していく段階においては、関係機関が積極的にかかわりを保つよりは、必要に応じて支援を行うなど見守ることが大切である。 波及期または衰退期に共通する活動の継続要因は【無理なく通える場所】であり、定期的・継続的に活動を行っていく上では、施設を安定して借りることができ、通いやすく、利用料を要しない施設の確保が重要であった。また、サブカテゴリーの<専門職員からのはたらきかけ>が関連しており、自主グループ活動を地域へ広めるためには【関係機関のサポート】が不可欠であることが示唆された。
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