本研究は、日常対面業務場面における在室者の対人コミュニケーション・チャネルの使用特徴を明らかにすることである。 昨年度は、対人関係性の一つである、リーダーとフォロワーに着目して対人コミュニケーション・チャネルの使用特徴について検討した。昨年度は対人関係性により重きを置き検討をしていたため、日常対面業務場面の個々の会話の分類での違いに焦点を当てていなかったが、本年度は日常対面業務場面の中から業務を円滑に行っていくうえで重要な場面(例えば、報告や議論など)の分類にも焦点を当て、在室者の対人コミュニケーション・チャネルの使用特徴の検討を行った。 その結果、対面で業務を行う場面ごとに、コミュニケーション上の立場(例えば、主たる送り手であるか聞き手であるか)によって発話の特徴量の多寡に違いが見られることが示唆された。報告の場合は、円滑に会話が行われる場合は、場合に、送り手の発話が聞き手よりもどの時点でも多いが、そうでない場合は会話場面の最初に発話の特徴量が最も多く使用されるといった特徴があることも示された。一方、議論場面では会話参加者間の発話の特徴量の違いは前者よりも大きくないことも示された。 日常対面業務場面におけるデータを分析したことによって示唆されたことが多くあるが、業務場面におけるコミュニケーションや会話は連続性をもつものであるため、コミュニケーションの直後効果のみならず遅延効果に影響を与える対人コミュニケーション・チャネルの特徴ついても今後検討をする必要があると考える。
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