• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

潜在的シャイネスを低減する介入手法の実験的検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K13902
研究機関鹿児島大学

研究代表者

稲垣 勉  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (30584586)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード潜在的シャイネス / 変容可能性 / 対概念の活性化 / シャイネスの改善意欲 / 構成的グループ・エンカウンター
研究実績の概要

本年度は,自分でも意識されにくい「潜在的な」シャイネスを低減しうると考えられる「対概念の活性化」の手法を用いて介入研究を行った。具体的には,4日間の実験期間中,「毎日2時間は特に意識して社交的に振る舞う」よう教示した実験群は,教示を行わなかった統制群と比して潜在的シャイネスが低減するという仮説を立てて実験を行った。その結果,実験群・統制群ともに顕在的・潜在的シャイネスに変化がみられず,仮説は支持されなかった。本研究では実験期間中,参加者に毎日振り返りを求め,実験群の参加者には1日あたり何時間,教示内容を守ったかの報告を求めていた。この点を加味して分析したところ,1日のうちに8時間以上,教示の内容に留意して行動したと報告した参加者は潜在的シャイネスが高まる傾向があり,こうした参加者を除いて分析した結果,仮説に近い傾向が認められた。したがって,1日あたりの実施時間も考慮すべきである可能性が示された。加えて,実験群の参加者の中には,潜在的シャイネスが低減する者と,上昇する参加者が散見された。すなわち,介入の効果がみられやすい者と,そうでない者がいる可能性がある。この違いをもたらす要因に「シャイネスの改善意欲」が挙げられると思われる。シャイネスの改善意欲を事前に測定しておき,分析に加味することで,異なる結果が得られる可能性があると考えられるため,次年度以降はこうした点も考慮に入れ,継続して検討を行う。
また,本年度に新たに構成的グループ・エンカウンターがシャイネスに与える影響を探索的に検討したところ,顕在的シャイネスを有意に低減することが示された。この際に検討されたのは顕在的シャイネスのみであったが,次年度は構成的グループ・エンカウンター潜在的シャイネスに与える影響についても検討を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は実験を中心に計画されているが,本年度は実験参加を希望する者が当初の予想よりも少なく,潜在的シャイネスを変容させる可能性があると思われる3つの手法のうち,1つ(および,探索的に検討した構成的グループ・エンカウンターの効果)を取り上げるに留まった。次年度はさらに募集をかける範囲を広げ,検討を進めていく。

今後の研究の推進方策

本研究は実験を主とするものであるため,相当数の実験参加者を集めることが必須である。次年度はさらに募集の範囲を広げ,研究の遂行にあたって十分な実験参加者数を確保することを目指す。

次年度使用額が生じた理由

本年度は当初に想定していた実験参加者数が集まらず,主に謝金およびデータ整理のアルバイト代,学会発表費用として想定していた金額に残額が生じた。次年度以降は実験参加者の募集範囲を増やし,適切に執行していく計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] シャイネスの変容可能性の検討――構成的グループ・エンカウンターの体験を通じて――2019

    • 著者名/発表者名
      稲垣 勉・澤海 崇文
    • 雑誌名

      鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要

      巻: 28 ページ: 99-104

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 顕在的・潜在的シャイネスの変容可能性の検討(1)――対概念の活性化を用いた検討――2018

    • 著者名/発表者名
      稲垣 勉・澤海 崇文
    • 学会等名
      日本感情心理学会第26回大会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi