研究課題
若手研究(B)
研究1の結果、5歳児においては他者がお菓子を渡す場合においては、その他者が良い人か悪い人かによって行動を変える傾向があることが示された。しかしながら、5歳児は間接互恵性の理論研究から予測される行動傾向を示すことはなかった。研究2の結果、唾液中オキシトシン濃度は、他者の低い信頼に対してお返しをしないというネガティブな互恵性と関連することが明らかになった。またオキシトシンと互恵性の関連は社会的価値指向性のpro-socialにおいてみられ、pro-selfにおいてはみられなかった。
社会神経科学
本研究の結果、唾液からオキシトシン濃度を安定して測定する方法を確立することができた。唾液からのオキシトシン濃度の測定は参加者への心理的、身体的な負担が少ないため、未就学児、および乳幼児を対象にした向社会性の研究で今後多く用いられると考えられる。本研究で確立した唾液中オキシトシン濃度の解析プロトコルを用いて研究を行うことによって、オキシトシンが向社会性の発達においてどのような役割を果たしているかを解明することができると考える。