本研究は,算数文章題解決過程に困難を示す児童の算数能力検査および算数認知機能検査開発,算数文章題の指導方法開発を目的に,小学校3~6年生の児童37名,発達障害児24名,肢体不自由児3名を対象とした調査と発達障害児24名への個別指導を実施した. 個別指導は各検査の結果に基づき児童の特性に合わせた簡単な身体活動や机上遊び等の具体的体験活動を取り入れ,1回60分全11回実施した.指導後評価では,解決過程において文章題の3要素の中で未知数を求めるのに必要な,既知数同士または既知数と未知数の関係を図示する児が増加した.具体的体験活動を用いた指導により文章題の3要素の理解が促されることが示唆された.
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