学校教育現場で利用可能な心理測度の開発を行った。学校教育現場において心理状態を測定する指標はこれまでにも多く開発されているが,その多くは内在的問題(例えば,不安やうつ気分)に関するものであり,外在的問題(例えば,周りから見てイライラしている,遅刻する)に関するものは極端に少ない。現場の教師は,日頃の児童生徒の様子から心理状態の「見取り」を行っているが,教師の感覚と実際の内在的・外在的指標との関連は十分には検討されていない。また,それらの指標の家庭場面での出現等についても検討を行うことで,学校と家庭が連携して児童生徒支援を行っていくための共通指標について検討できた点は本研究の意義である。
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