研究課題/領域番号 |
17K13926
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
脇田 貴文 関西大学, 社会学部, 教授 (60456861)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 質問紙法 / Likert法 / 項目反応理論 |
研究実績の概要 |
心理学ではLikert法を用いた心理尺度が頻繁に用いられる。本研究は、Likert法を用いた心理尺度における適応型選択肢を提案するものである。これは回答者の回答水準(潜在特性値)に応じて、提示する選択肢表現を変化させることで幅広いレベルの潜在特性の測定を可能にしようとするものである。その結果、従来の心理尺度で指摘される 天井・床効果や項目数の限界を改善・解決できる可能性がある。2018年度は、2017年度に引き続き、すでに収集していたデータに関して再分析を行った。また、新たに中高生の回答したデータの提供を受け、その分析を行った。その結果に関しては、概ね想定通りの結果が得られている(2019年度に学会発表、学術論文の公表を予定)。また、開発中のWEBアンケートシステム(Creative Survey)を用いて、1回の調査を実施した(当初計画では、3回の調査を予定していたが、予算の関係から実験デザインを工夫し実施した)。さらに、その回答者に、回答後に選択肢が変化すること、調査システムの回答のしやすさに関して自由記述によるコメントを求めた。現在、その結果の分析およびまとめを行っている。 既存データの分析、WEBアンケートシステムを用いた調査の分析いずれにおいても、本研究課題において最も重要な回答選択肢の表現によって、回答者の回答傾向が異なってくることが確認できており、今後に繋がる知見が得られている。当初のアイデアである、回答者の潜在特性値に応じて、その都度回答選択肢表現を変化させることに関しては、WEBアンケートシステムの問題および先に述べた調査参加者の感想から、どこまで柔軟性を持たせるか改めて検討が必要であると考えられる。 なお、現在、調査実施の際に明らかになったWEBアンケートシステム上の改善点に関して調整を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は、Webアンケートシステムの調整、そのシステムを用いた1回の調査を行った。また、既存のデータとして、中高生が回答したデータの提供を受け、その分析を行った。その結果に関しては、日本心理学会第83回大会(立命館大学)で発表する。また、さらに議論を深め、学術論文として公表する準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画において、2019年度には3回の調査を実施する予定であったが、予算の都合からその回数を減らして実施する。ただし、できる限り当初の計画通りの知見が得られるよう調査デザインを工夫して行う。また、これまで2年間の結果を学会発表および学術論文にまとめ公表する。 Webアンケートシステムに関しては、研究課題終了後も引き続き使用できるように調整を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査計画を変更したため、調査実施費用を確保する為に繰り越しを行った。 次年度にシステム・サーバー費用450,000円、Web調査600,000円(200,000円×3回)を使用する。
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