研究課題/領域番号 |
17K13929
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大宮 宗一郎 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (50729283)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 薬物依存 / 刑事施設 / 効果測定 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、刑事施設内において薬物事犯に実施する再乱用防止プログラムの長期的な効果と出所直前の薬物事犯者の特徴を検証することを通じて、フォローアップ・プログラムを実施することの必要性について検証を行うことである。 平成29年度の研究計画は、研究フィールドの確定とアンケート調査、および情報収集であった。研究フィールドの確定については、研究代表者が勤務する刑事施設との共同研究協定締結の窓口になっていた職員が異動してしまったために、新たな職員との関係構築を図っている段階である。また、当初調査を予定していた2つの刑事施設においても調査が不可能になったため、法務省の職員に調査協力が見込める施設を選定するための相談し、施設の検討をした。 アンケート調査については、申請者が勤務する刑事施設において、薬物事犯者の参加が義務づけられている薬物依存離脱指導プログラムの実施後のアンケート調査を行った。8名の調査データが得られたが、研究協定が締結できていないために、データを刑事施設の外部に持ち出して分析することができないために次年度の課題となる。 情報収集については、文献調査に加え、フォローアップ・プログラムに盛り込むことが有益と考えられるSelf-compassionプログラムのワークショップに参加した。Self-compassionとは、自己への慈しみであり、このプログラムでは他人にそうしているように、自分に対して思いやりや慈しみをもって接する方法を学ぶプログラムである。薬物事犯者の中には、薬物を使用したことに対して厳しい自己批判を行い、そのことが薬物の再使用の要因になっている者もいる。そこで、実際にプログラムを受講し、フォローアップ・プログラムに盛り込むことができるエクササイズの収集をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の特徴の1つは、刑事施設が調査フィールドになっている点であるが、研究代表者が勤務する刑事施設の窓口となっていた担当者が異動になってしまったことにより、調査で得られたデータにアクセスできない状態となってしまった。次年度にデータの持ち出しが可能となるように共同研究協定の締結を目指す。 また、当初調査を予定していた2つの刑事施設においても担当者の変更に伴い、調査が不可能になった。現在、調査フィールドを確保するために、法務省の職員と相談しながら調査可能性がある施設の選定を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、刑事施設内において薬物事犯に実施する再乱用防止プログラムの長期的な効果と出所直前の薬物事犯者の特徴を検証することである。本研究の特徴の1つは、刑事施設が調査フィールドになっている点であるが、研究代表者が勤務する刑事施設の窓口となっていた担当者が異動になってしまったことにより、調査で得られたデータにアクセスできない状態となっている。今年度は、新たな担当者と関係を構築した上で、共同研究協定の締結することを目標とする。また、当初調査を予定していた2つの刑事施設においても調査が不可能になったため、法務省の職員と相談しながら、調査可能性がある施設の選定を行い、調査の依頼、そして調査実施を目標に研究を進める。さらに、これらの活動と並行して、海外における薬物事犯者への処遇に関する情報収集する。
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