研究実績の概要 |
本研究の目的は、思春期の児童において、生理的にエネルギーを補う必要がないにもかかわらず、食べ物の味を楽しむために起こる摂食(非生理的摂食)の神経基盤を明らかにすることである。 前年度では、空腹でも満腹でもないときに、視覚的食物刺激と味覚刺激に対する脳活動をfMRIによって測定し、これらの食物刺激に対してどのような神経活動が起こっているのか解析した。加えて、食事のパターンや食生活に関するアンケート調査を行い、これらの要素が食物刺激に対する脳活動とどのように関連しているのか検証した。fMRIデータ解析の結果から、食物の視覚刺激に対する脳活動と味覚刺激に対する脳活動を検出した。加えて、食事のパターンや食生活に関するアンケート調査の結果とこれらの脳活動の関連を検証した。 本年度では、昨年度の結果を論文化し、発表した (Nakamura Y, Imafuku M, Nakatani H, Nishida A, Koike S (2019) Difference in neural reactivity to taste stimuli and visual food stimuli in neural circuits of ingestive behavior. Brain imaging and behavior)。また、学会発表を行い、Young Investigator Award を受賞した (The International Association for Dental Research IADR Joseph Lister Award for New Investigators Ten finalist)。加えて、前年度に計測した被験者を対象に、1度目の実験から1年後、1度目と同様の実験を行い、食物の視覚刺激及び味覚刺激に対する総活動を計測した。1度目から2度目の脳活動の変化と食生活に関するアンケート結果や体格指数 (BMI)との関連を検証した。
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