生理的な必要がないにもかかわらず、外的刺激によって誘発される摂食を非生理的摂食といい、肥満の大きな原因である。非生理的摂食は、高い食物刺激応答と低い抑制制御機能によっておこる。しかし、これらどちらも大きく改変される思春期において、非生理的摂食と報酬系・抑制系発達との因果関係については分かっていない。本研究では、思春期コホートデータと機能的MRI (fMRI) 実験により、思春期における非生理的摂食を神経科学・心理学的に解明することをこころみた。本研究の結果から、摂食制御に関わる脳活動領域 (caudate)は食物刺激によって惹起される摂食欲求を制御することに関わっている可能性が示唆された。
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