研究課題/領域番号 |
17K13935
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山内 星子 名古屋大学, 学生支援センター, 助教 (00608961)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 発達障害 / 大学生 / 能力発揮促進 / 適応 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、発達障害傾向のある大学生、大学院生の能力発揮促進に寄与する要因を明らかにし、能力発揮促進のための支援方略を検討することである。2020年度までに、基礎的データとして、大学生や就労者に対し、発達障害傾向と適応との関連に関する調査を行った。その中で、発達障害傾向が高くても、適応がよい一群の存在があらためて確認された。 2021年度には、発達障害傾向のある学生についての知見をさらに収集するため、学生約4400名(うち、大学院生約1000名)に対して半年ごとの追跡調査を行った。調査の結果は整理している途中であるが、発達障害傾向のある学生の適応を予測する要因として、ソーシャルサポートなどが経時的に作用していることが示唆されている。 また、コロナウイルスの流行による、発達障害傾向の高い学生の適応状態の変化に関する経時的分析も行った。その結果、コロナウイルスの流行下においては発達障害傾向が高い学生の適応状態は、そうでない学生に比して精神的健康度の低い状態が継続的に続いていること、ただし、その経時的変化のパターン自体は発達障害傾向の高くない学生と同様であることが示唆された。詳細な分析は2022年度に行っていく。また、対面でのインタビュー調査や検査はコロナウイルス流行のために困難な場合が多かったが、Zoom等を用いた、能力発揮促進についての面接調査等のデータ収集を、予定数の一部ではあるものの行った。調査の結果は整理中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルス流行によって、対面でのインタビュー調査が難しくなったために、当初の予定数のインタビューデータの収集が困難になった。Zoom等を用いた調査に切り替えて実施したり、より詳細なデータ分析を行うなどして、このデータ不足を補い、研究目的をおおむね達成できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
縦断的アンケート調査とZoom等を用いたインタビュー調査の分析を行い、得られた知見を発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行のために、研究成果発表形態の変更、対面でのインタビューの遅れが生じ、データ整理のための人件費を支出しなかった。2022年度の状況は未だ不明な点もあるが、研究発表のための出張費として使用予定であるほか、リモート開催のみで旅費が不要である場合には、研究発表の機会を増やす。また、データの最終整理、分析にあたって、人件費を支出する。
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