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2022 年度 実績報告書

能力発揮促進モデルに基づく発達障害学生支援方法の開発と検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K13935
研究機関中部大学

研究代表者

山内 星子  中部大学, 人文学部, 准教授 (00608961)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード発達障害 / 大学生 / 能力発揮促進 / 適応
研究実績の概要

本研究の目的は、発達障害傾向のある大学生、大学院生の能力発揮促進に寄与する要因を明らかにし、能力発揮促進のための支援方略を検討することである。本年度の成果は以下の3点である。
1つめに,発達障害傾向と,心理的適応との関連について,本人の主観的困り感およびソーシャルサポートを媒介変数とした実証的検討を実施した。これまで,発達障害傾向と心理的適応との間には負の関連があり,また,発達障害とうつ病や不安障害との併発が高い頻度で生じることが指摘されていたものの,その背景に関する検討は少なかった。今回の検討では,発達障害傾向と4つの心理的適応(自尊感情,人生満足度,抑うつ,不安)との関連の多くは,本人の主観的な困り感とソーシャルサポートによって媒介されていることが示された。
2つめに,新型コロナウイルス流行下における高発達障害傾向学生の心理的適応に関する検討である。新型コロナウイルス流行下においては,人的接触や人が集合する機会が大幅に制限されたが,こうした状況が高い発達障害傾向のある青年にどのような影響を与えたのかについての検討は少ない。本研究では,2020~2021年にかけて実施された大学生対象のデータを用いて,コロナ禍における高発達障害学生の心理的適応について検討した。その結果,コロナ禍において発達障害傾向の高い学生の心理的適応は大幅に低下しており,発達障害傾向が高くない学生よりも低い水準にあった。一方で,発達障害傾向とコロナ流行前後の交互作用は見られなかった。
3つめに,学業,研究において高い能力を発揮するが,主観的な困り感の高い学生の事例検討を実施した。数ケースを分析した結果,学業や研究で高いパフォーマンスを発揮していることについての自覚はありながらも,日々の生活の中での情緒的な傷つき,不全感が高く,主観的幸福感の低い状態に陥っていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 青年期の自閉症スペクトラム特性と心理的適応との関連 :生活上の困難とソーシャルサポートを媒介変数として2023

    • 著者名/発表者名
      山内星子, 杉岡正典, 鈴木健一, 松本真理子
    • 雑誌名

      発達心理学研究

      巻: 34(1) ページ: 19-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新型コロナウイルス感染症流行下における大学生の心理的適応に関する要因2023

    • 著者名/発表者名
      山内星子, 杉岡正典, 松本寿弥, 鈴木健一, 松本真理子
    • 雑誌名

      学校メンタルヘルス

      巻: 25(2) ページ: 205-212

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本の大学におけるLGBT等の現状と課題―教職員及び学生アンケート調査の結果から―2023

    • 著者名/発表者名
      三枝麻由美, 佐藤剛介, 山内星子
    • 雑誌名

      大学のメンタルヘルス

      巻: 5 ページ: 76-83

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新型コロナウイルス感染症流行下における大学生支援実践の展開-2020 年度後半の実践報告-2023

    • 著者名/発表者名
      山内 星子, 鈴木 健一, 杉岡 正典, 松本 寿弥, 織田 万美子, 松本 真理子
    • 雑誌名

      学校心理学研究

      巻: 22(2) ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] コロナウイルス感染症流行時に入学した学生の心理的特徴 : 文系・理系・医療系別の検討2022

    • 著者名/発表者名
      山内 星子, 杉岡 正典, 鈴木 健一, 松本 寿弥, 織田 万美子, 松本 真理子
    • 雑誌名

      学生相談研究

      巻: 42(3) ページ: 222-229

    • 査読あり
  • [学会発表] 理系科学者の創造性に対する臨床心理学からの接近2022

    • 著者名/発表者名
      松本真理子・田附紘平・野村あすか・松浦渉・山内星子・髙橋昇
    • 学会等名
      日本心理臨床学会第41回大会
  • [学会発表] 理系科学者および理系大学院生の創造性-ロールシャッハ法とWAIS指標に対するクラスター分析の結果から-2022

    • 著者名/発表者名
      山内星子・松本真理子・田附紘平・野村あすか・松浦渉・髙橋昇
    • 学会等名
      日本心理臨床学会第41回大会

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公開日: 2023-12-25  

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