研究課題/領域番号 |
17K13937
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
望月 直人 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 准教授 (20572283)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 児童自立支援施設 / アフターケア / 発達障害 / トラウマ |
研究実績の概要 |
2021年度について,前年度同様,新型コロナウィルスの影響を受けて,研究協力施設への訪問やオンライン協議すらできないままであった。したがって,調査に関して施設側と協議ができなかったため、調査は長らく中断している。そのため, 前年度同様に,2022年度以降の施設との協議を想定して,文献資料から,アフターケアに関するアンケート項目やインタビュー項目案を設定し,児童自立支援施設に精通する研究者と精査した。研究Ⅱで実施する施設職員へのアンケート調査,インタビュー調査の項目例は以下の通りであった。 アンケート項目例:アフターケア担当歴,アフターケアへの従事時間,アフターケア担当者数,アフターケア担当者の業務割合,アフターケア必要度,具体的なアフターケアの内容,児童に有効と思われるアフターケア,アフターケアに対する家族の関与の有無,その影響,など インタビュー項目例:アフターケア担当としての課題,アフターケアの好事例(家族関与有無による違い)失敗事例(家族関与有無による違い),アフターケアにおける発達障害特性を踏まえての工夫,トラウマ特性を踏まえての工夫,施設に求めること,社会に求めること,アフターケアにおける家族の関与,など これらのアンケート結果をもとに,児童自立支援施設におけるアフターケアの現状を明らかにする。その上で,発達障害/トラウマ特性のある児童特有のアフターケアの困難さや対応例について検討することを次年度の目的とする。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度について,2020年度と同様に,新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて,研究活動に大きく支障をきたした。,研究協力施設である児童自立支援施設は,地方の公的施設であるため,オンラインシステムの導入が遅れていたり,オンラインでの個人情報の取扱基準が厳しいため,コロナ以前に行われていた研究や実践に関する協議自体が中断したままである。そのため,2021年度同様に,研究IIの全国の児童自立支援施設へのアンケート調査や研究IIIの介入研究を実施できなかったきなかった。 以上により, 新たな研究活動を全く進めることができずに研究の進捗に大きな遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
社会状況を鑑みると,研究Ⅱ・Ⅲ,とりわけ研究Ⅲとなる介入研究の遂行は困難と考えられ,計画を以下のように変更予定である。研究Ⅲの実施を断念し,研究Ⅱの全国施設調査の内容を拡充させることとする。具体的には,アフターケアにおける本人や家族の関与の必要性やそのサポートについて,対象を施設職員のみとしたオンラインによる質問紙調査,面接調査の実施を進める。しかしながら,施設側に働きかけを継続しても,引き続きオンライン調査の実施が困難なことも予想される。その際は,本研究や周辺領域の文献レビューによって今後のアフターケアのあり方を展望して本研究課題を終了とする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
主な理由は, 前年度同様にコロナ禍の状況,かつ報告者が大阪の大学に所属しているということもあり,より強い影響を受けた。 研究協力施設と直接協議しながら進める必要がある研究II・IIIの研究が, 施設の状況に影響され全く実施できなかったことである(全国施設調査, 調査実施のための施設訪問旅費, 親支援プログラム実施等)。そのために, 旅費, 人件費, 物品費の使用は当初計画より下回った。 次年度の使用計画について説明する。社会状況に大きな変化が見られないことが予想されるなかで, 施設側に協力を働きかけるが,その反応次第では,研究IIIの介入研究を断念し,施設職員へのオンライン質問・面接調査のみとすることを検討している。 今年度は想定した懸念通り,オンラインによる全国施設調査が個人情報やICTの地域差等の課題もあり,全く実施ができなかった。したがって次年度については, 昨年度に続いて,研究II(全国の児童自立支援施設への調査)に関する研究経費に主に予算を投下できればと考えている。使用計画についても適宜検討することとする。
|