研究課題/領域番号 |
17K13943
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
大庭 輝 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60783412)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 神経心理学 / 認知症 / 介護 / 教育 / 知識 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
介護職員の認知症に関する知識の不足は高齢者虐待の主要な原因でもあり、認知症ケアの質に大きく影響すると考えられるが、介護職員の採用状況は多様であり、一定の教育水準が担保されていない。本研究は、介護職員の神経心理学的知識の向上を図る教育プログラムを開発しその効果を検証するものであり、今年度は教育プログラムのコンテンツを開発することを目的とした。資料として認知症介護や神経心理学に関する文献の収集及び検討、各種学会に参加して情報を収集し、コンテンツ内容の検討を行った。また、心理職を中心としたメーリングリストを通して、DSM-5に記載されている「複雑性注意」、「記憶と学習」、「実行機能」、「知覚-運動」、「言語」、「社会的認知」の6つの神経認知領域について、これらの機能障害により具体的にどのような行動が介護現場で起こりうるか、それに対してどのような対応が可能かについてパブリックコメントを収集した。これらの知見を基に、最終的に教育プログラムのコンテンツとして12の内容を決定した。 教育プログラムの開発のために、8名の臨床心理士及び精神科医師に対してコンテンツの作成を依頼した。また、知識の定着を確認するための到達度テストの作成も併せて行った。また、次年度に実施予定の調査計画のために、文研研究を行い質問項目を検討した。次年度に向けて介護職員の認知症に関する知識について調査を計画し、先行研究を収集し質問項目の精査を行った。本調査では介護職員の認知症に関する知識の程度について明らかにするとともに、知識定着のための関連要因の検討も計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の実施内容であった教育プログラムのコンテンツ作成に微修正を要するため。
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今後の研究の推進方策 |
認知症に関する知識の質問紙調査実施に向けて、倫理審査を申請し、承認がおり次第調査を開始する。教育プログラムのコンテンツについては、遅れている作業を速やかに進行し、内容を確定する。また、調査協力施設と実施にむけた調整を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
教育プログラムのコンテンツに用いるイラストの作成を発注する予定であったが、コンテンツ作成がやや遅れており、発注に必要なイラストが揃っていないため次年度使用額が生じた。余剰金については外注費用に充て、翌年度分として請求した助成金は当初の計画通りに使用する。
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