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2017 年度 実施状況報告書

第一年次の大学生を対象とした精神的健康促進プログラムの開発:系統的展望と臨床試験

研究課題

研究課題/領域番号 17K13944
研究機関北翔大学

研究代表者

入江 智也  北翔大学, 北方圏学術情報センター, 研究員 (90787730)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード大学生 / 精神的健康 / 認知行動療法
研究実績の概要

当該年度においては,大学生の精神的健康と認知行動的プロセスの関係を検討した文献を収集し,システマティックレビューを実施した。文献抽出は2名が独立して行った。アブストラクトの評価に基づく1次スクリーニングにおいて,包含基準を満たすと考えられる295編の文献が抽出された。その後,本文精読による2次スクリーニングにおいて,54編の文献がシステマティックレビューの包含基準を満たすものとして組み入れられた。
メタアナリシスの結果,注意,思考,行動のプロセスが,大学生の全般的な精神的健康と中程度の相関があることが示された。一方,抽出された精神的健康は多岐に渡ることから,下位分類を作成した。分類は2名の協議によって行われた。その結果,精神的健康の下位分類によっては認知行動的プロセスは異なる効果量を示すことが明らかになった。以上のことから,大学生の精神的健康を対象とした認知行動的プロセスを含んだ心理学的支援プログラムは,そのプログラムが変容を目指すアウトカムに応じて介入プロトコルを調整することが有効であることが示唆された。さらに,認知行動的プロセスである注意,思考,行動については,精神的健康のいずれかの側面に対しては有効であることから,全般的な精神的健康の促進を目指す場合には,すべてを含めることが最も効果が期待できることが示唆された。
次年度にわが国における実態調査を実施するために,システマティックレビューの結果を踏まえ,調査票の準備および調査協力者の依頼を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた研究を完遂し,次年度に実施する研究の準備も滞りなく遂行することができているため。

今後の研究の推進方策

今後,大学生の特に第1年次を対象とした調査を実施する。調査内容は,システマティックレビューによって明らかにされた認知行動的プロセスと精神的健康の下位分類を含むものとする。調査によって,わが国の大学生において,特に精神的健康と関連が強い認知行動的プロセスや,下位分類ごとの関連の差異,さらにはデモグラフィックデータ(専攻等)による関連の差異が明らかになることが期待される。調査の結果は,調査の翌年度に計画している介入プログラムの作成時に反映をさせる。

次年度使用額が生じた理由

当該年度研究の結果に応じて購入する必要がある心理尺度があったものの,当該年度開始時および前倒し支払い請求時にはその額を確定することができなかったため,結果的に次年度使用額が生じている。最終年度に実施予定である介入プログラムで用いる心理尺度にも変更が生じたため,次年度使用額はプログラム開発準備における心理尺度購入費に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 大学入学時におけるUPIのkey項目への該当および居住形態が退学リスクに及ぼす影響-生存時間分析を用いた検討-2017

    • 著者名/発表者名
      入江 智也,丸岡 里香
    • 雑誌名

      学生相談研究

      巻: 38 ページ: 1~11

    • 査読あり
  • [学会発表] 学生相談機関の利用が大学生の精神的健康に及ぼす継時的効果-4年間の縦断的検討-2017

    • 著者名/発表者名
      入江 智也
    • 学会等名
      第55回全国大学保健管理研究集会

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公開日: 2018-12-17  

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