研究実績の概要 |
平成29年度は、20から60歳代の成人800名からの協力をえて、WEBでのアンケート調査(調査1)を行った。調査内容としては、ヘルビリーフモデルに基づいて、HIV感染生起確率認知、HIV自己イメージ尺度(飯田・いとう・井上, 2012)、エイズ検査・相談利用の利益性・障がい性認知尺度(未公刊, 2017)、保健所等のエイズ検査・相談体制認知、利用経験を尋ねて、エイズ検査・相談への援助要請実行への自己効力感および援助要請意図との関連を検討する調査を行った。なお、その際、援助要請スタイル尺度(永井, 2013)を用いて、各援助要請スタイル別に見た、変数間の関係を検討した。結果は、現在、統計解析中であるが、概ね、1)援助要請実行への自己効力感は、援助要請意図との間で有意に関連していること、2)援助要請実行への自己効力感と、ヘルスビリーモデルに基づいたいくつかの変数との間で有意に関連をしていることが明らかになっており、引き続き、詳細な解析を行っていく予定である。 また、エイズ検査・相談の体制(無料・匿名)の存在認知は、知っていた者が50.8&であった。一方で、未利用者は、91.3%である。サンプルとして、インターネット調査ではあるが、諸外国と比べ低い値にあることが推察される。 なお、当初計画書においては、調査1の質問紙を用いた保健所調査を実施する予定であった。そして、調査1の結果との比較を予定していた。今回、保健所調査は実施していない。しかしながら、調査1において、数は少ないが、一定の数で、利用者(3.6%)利用躊躇者(〝利用しようと思ったことはあるが利用したことはない)(5.1%)からの回答があった。これによって、利用経験による比較を行っていくことが可能となった。
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