研究課題/領域番号 |
17K13959
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
中島 美鈴 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 臨床心理士 (40788220)
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研究協力者 |
稲田 尚子 帝京大学, 文学部
谷川 芳江 福岡県, 職員相談室
山下 雅子 おおほり心療クリニック
高口 恵美 西南女学院大学, 社会福祉学部
前田 エミ 医療法人要会かなめクリニック
皿田 洋子 福岡大学, 人文学部
織部 直弥 肥前精神医療センター, 臨床研究部
要 斉 医療法人要会かなめクリニック
矢野 宏之 九州大学大学院, 人間環境学府
猪狩 圭介 飯塚病院, リエゾン精神科
久我 弘典 肥前精神医療センター, 臨床研究部
原田 剛志 医療法人悠志会パークサイドこころの発達クリニック
上野 雄文 肥前精神医療センター, 臨床研究部
黒木 俊秀 九州大学, 人間環境学研究院
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 注意欠如・多動症 / 時間管理 / 集団認知行動療法 / 成人期 |
研究成果の概要 |
成人期ADHD患者に集団認知行動療法を提供する際には,最大33%の高い脱落率が見られることが知られている。この原因の1つに平均12.2回のセッション数の多さが考えられる。本研究では,成人期ADHD患者を対象にした,単一技法の介入による8セッションからなる集団認知行動療法の効果および脱落率を検討するため,成人期ADHD患者のうち24名は集団認知行動療法群へ,24名は通常治療群へランダムに割り付ける無作為化比較試験を実施した。その結果,脱落率は4.2%であり,ADHD症状の有意な改善が見られた。単一技法にもかかわらず,ADHD症状を改善する効果は先行研究と同等程度であった。
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自由記述の分野 |
臨床心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単一技法によるセッション数が少なく,低い脱落率で効果が同等の集団プログラムが開発されたことで,これまで我が国では不足していた成人期のADHD患者の心理的治療の受け皿を確保することができた。さらに,このプログラムは実行機能障害の中でも時間管理(期限までに物事を計画的に遂行する能力)に特化したものであることから,医療分野における活用にとどまらず,職場においてADHD傾向から仕事が時間内にこなせない,締め切りを守れないといった諸問題を抱える労働者への介入としても活用することができる。
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