研究課題
若手研究(B)
九鬼周造や西田幾多郎の哲学に関する研究を基盤としながら、現代の実践的な教育問題についての発展的な哲学的考察を行なった。具体的には、大学改革に関する批判的考察と、小中学校における道徳教育のあり方についてである。いずれも、直接的に九鬼や西田の哲学に基づくものではないが、偶然性や自由の問題についての彼らの思想から示唆を得ている。
教育学
偶然性や自由の問題を中心とする九鬼周造や西田幾多郎の哲学を基盤としながら、現代の実践的な教育的諸問題について原理的な批判的考察を行なった点に本研究の学術的意義および社会的意義がある。「大学改革」の問題については、90年代以来の「大学改革」政策が、研究・教育の様々な意味での偶然性を排除することによって、むしろ研究・教育の豊かさを奪っていることを明らかにした。道徳教育の問題については、特に自由・自律の哲学的な意味と価値を明らかにした。