研究課題/領域番号 |
17K13975
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田口 康大 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任講師 (70710804)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 海洋教育 / 海洋リテラシー / Ocean Literacy / 海洋環境 / 環境デザイン / 対話 / 記憶 / 継承 |
研究実績の概要 |
本研究「海と人との関係の編み直しとしての海洋教育の基礎理論研究」は、海と人との関係の編み直しの営みとして「海洋教育」を位置づけることで、海洋教育をめぐる混乱状況を整理し方向づけるための理論基盤を提供することを目的としている。 本年度は、記録と記憶、対話をテーマに実践・理論研究を行う予定であった。特に、岩手県洋野町、宮城県気仙沼市、鹿児島県与論町での実践研究を進める予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、実践研究を行うことができなかった。 2021から2030年にかけては、「国連海洋科学の10年」として、海洋問題の解決に向けて様々な取り組みが行われる。教育分野においても同様であり、その際、共通指針として「Ocean Literacy」が構築されている。Ocean Literacyは海洋科学的な視点が強く、各国独自の文化産業面を踏まえて、ローカライズする必要がある。また、教育現場へのOcean Literacyの導入にあたっては、ナショナルスタンダードのレベルに反映している国もあれば、公教育以外での普及を図る国もあるなど、多様なのが現状である。日本の海洋教育の展開において、Ocean Literacyをどのように受け止めるのか、普及促進を図るとしたら公教育を対象とするのが望ましいのかどうか、その際の学習指導要領との関係など、検討が必要な課題は数多くある。 他方、2020年は、海洋プラスチック問題や地球温暖化などの海洋にかかる問題が広く知れ渡り、教育現場でも取り上げられるようになった年であった。しかし、その際、海が地球においてどのような役割を果たしているのか、海と私たちがどのように関わっていて、今後関わっていくのかという視点は希薄である。その視点に基づきながら、海洋教育の基礎理論を構築するのが今後の課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響のために実践研究が進められなかった。特に、同じ空間を共有しての対面での対話ワークショップは実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、対話のワークショップ含め実践研究の実施は困難であると判断される。そのため、今後は理論研究に重点を置くこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響にて実践研究の実施ができなかった。今後は、実践研究については実施可能な範囲内に留め、理論研究を中心に計画を変更することで、本研究の目的を達成する。その上で、最終成果報告書を作成する。
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