研究課題/領域番号 |
17K13978
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
竹川 慎哉 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (30513311)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 批判的リテラシー |
研究実績の概要 |
2020年度は、延期していたオーストラリアにおける調査実施が不可能となったため、日本における教育内容の政治的中立性の問題を学校教育におけるリテラシー形成に焦点を当て研究を進めた。 戦後日本の学校教育を政治性から非政治性への移行として描き出し、さらにPISA以降は教師の脱技能化が進行していることを確認した。また、「批判的思考」が学習指導要領等における「主体的な学び」の強調の中で取り上げられる傾向があるが、その背景には「客観性」が重視されていることの問題を分析した。さらに、「客観性」「論理性」の強調によって排除されている「主観性」を再評価し、学習者自身にとっての学びの当事者性を担保する批判的な学習が不可欠であることを指摘し、こうした観点から日本の授業実践を分析した。この成果は、竹田悠耶との共著論文で海外書籍に掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウィルスによる海外渡航の制限からオーストラリアの調査は不可能となったが、日本におけるリテラシー形成と政治的中立性の問題を検討する論文を共同研究で執筆し、海外の書籍に掲載される予定である。
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今後の研究の推進方策 |
感染状況を注視しながら、可能であれば遅延している海外調査を行う。 インターネット等で入手可能な資料を収集し、オーストラリアにおいてカリキュラムの政治的中立性がどのように図られ、学校教育で展開しているのかを把握する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたオーストラリア調査がコロナウィルスによる渡航制限のため不可能となったため、大きく残額が生じた。2021年度の現地調査、あるいは現地からの資料収集、英語論文の校正等に支出が見込まれる。
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