本研究は、保護者の私的関心の排他性を問題と捉えて学校教育の公共性の成立可能性を探ってきた研究代表者のこれまでの研究を発展させるものである。研究代表者は、これまで、特に、保護者の意識において子どもたちに向けられる「共通関心」が形成される可能性に着目して研究を重ねてきた。本研究は、それらを展開して、いくつかの点から保護者の学校参加の条件を明らかにした。すなわち、わが子の特性に困難を抱える保護者において子どもたちに向けられる「共通関心」が形成される条件、保護者間において公的な性質をもつネットワークが形成される可能性、保護者における「共通関心」の形成を促す学級通信の記述の特質、である。
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